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単元未満株で手数料負けしない証券会社は?比較結果とおすすめランキングを紹介

日本株は通常、1単元(100株)ごとの取引と決められています。

しかし、一部の証券会社を使うと、1株から売買することができます(単元未満株、またはミニ株、端株制度といいます)。単元未満株であれば少額から投資可能であり、リスク小さく始められますので、特に投資初心者に適しています。

投資 まなぶ
投資 まなぶ

単元未満株を買うには、どの証券会社が良いですか?手数料負けすることはないですか?

路井 なびお
路井 なびお

単元未満株は大手ネット証券のほか、LINE証券などの新興スマホ証券でも扱っています。

最近は単元未満株の手数料が格安な証券会社(SBIネオモバイル証券)が出てきましたので、手数料負けするような心配もいりません。

本記事ではネット証券における単元未満株(ミニ株、端株)の売買手数料や取引時間等を比較し、おすすめの証券会社を紹介します。

単元未満株を売買できて、使いやすさで人気なのはLINE証券

LINE証券はアプリ開発で培った操作性のよさと、手数料の安さで、投資初心者に人気です。また、LINE証券では夜間取引もできますので、仕事が終わった後にゆっくり取引したい方におすすめです。最初はLINE証券で始めてみると良いです。

info飛ばし読みするにはこちら(下に目次もあります)

単元未満株で証券会社を選ぶときの3つのポイントと、各証券会社の比較まとめ

単元未満株を取り扱っているネット証券会社は全部で7社あります(各社の詳しい取扱状況についてはこちら)。取引条件がそれぞれ異なりますので、自分に合った証券会社を選ぶことが大事です。

単元未満株で証券会社を選ぶときに大事なのは、以下の3つです。

各ネット証券会社の特徴比較(単元未満株について)

上記3つのポイントで各社の特徴をまとめると、下表のようになります。

会社名手数料取引時間取扱銘柄数
LINE証券
SBIネオモバイル証券
SBI証券
マネックス証券
auカブコム証券
岡三オンライン×
フロッギー(SMBC日興証券)

簡単にいうと、取引時間の自由度ではLINE証券、手数料の安さならSBIネオモバイル証券が良いです。

一方、取扱銘柄の豊富さでは各社ともあまり差がありませんが、ややLINE証券が手薄になっています(とはいえ、LINE証券も大企業・有名企業ならほぼ扱っていますので、大きな問題ではないです)。

以下では3つのポイントと比較結果について、詳しく解説します。

単元未満株(ミニ株、端株)の手数料の比較

各証券会社の単元未満株の取引手数料をまとめたのが下表です。

会社名手数料(税込)最低手数料(税込)
LINE証券スプレッドがかかる
日中取引:0.2~0.5%
昼休み・夜間取引:1.0%
LINE証券の手数料についてはこちら
SBIネオモバイル証券月額制(月間合計取引額が50万円以下の場合、実質的な手数料は20円/月
SBIネオモバイル証券の手数料についてはこちら
SBI証券0%(買付)
0.55%(売却)
0円(買付)
55円(売却)
マネックス証券 0%(買付)
0.55%(売却)
0円(買付)
52円(売却)
auカブコム証券0.55%52円
岡三オンライン最低0.66%220円
フロッギー(SMBC日興証券)購入時:無料(100万円以下)
    1.0%(100万円以上)
売却時:0.5%(100万円以下)
    1.0%(100万円以上)
なし

多くの証券会社の手数料は1取引ごとに決まりますが、SBIネオモバイル証券のみ月額制です。

単元未満株の手数料が無料に近いのはSBIネオモバイル証券

手数料体系が異なっていてわかりにくいですが、手数料の安さで選ぶならSBIネオモバイル証券が良いです。

SBIネオモバイル証券では月間の合計取引額に応じてサービス利用料という形で手数料がかかります。サービス利用料の金額は以下のとおりです。

SBIネオモバイル証券のサービス利用料(手数料)

SBIネオモバイル証券のサービス利用料(SBIネオモバイル証券のホームページより)

月間合計取引額が50万円まで手数料は220円(税込)というだけでも安いです。そのうえ、SBIネオモバイル証券では毎月Tポイントを200円分もらえます(SBIネオモバイル証券でのみ利用可能な期間固定Tポイント)。

つまり、月間合計取引額が50万円以下の場合、SBIネオモバイル証券の手数料は実質的に20円(消費税分)となります。ほぼ無料に近い手数料で単元未満株を売買できます

SBIネオモバイル証券を使えば、単元未満株取引でも手数料負けすることはありません。

路井 なびお
路井 なびお

毎営業日に2万円ずつ購入しても、月間合計売買金額は40万円前後です。実質20円の手数料でこれだけの売買ができるというのは、驚異的に安いです。

LINE証券の手数料も比較的安い

SBIネオモバイル証券の次に手数料が安いのはLINE証券です。LINE証券におけるスプレッド(実質的な手数料)は以下のように決まっています。

LINE証券の単元未満株の手数料

LINE証券の単元未満株の手数料(引用:LINE証券の公式ページ)

グループ分けについて、大まかにいうと以下のようになっています(詳しくはグループ別の対象銘柄一覧(公式ページ)を参照)。

  • グループA:大企業や有名企業、ETFなど315銘柄
  • グループB:中堅企業など500銘柄
  • グループC:新興企業など200銘柄
  • グループD:上場して間もない新興企業など13銘柄

つまり、LINE証券で日中取引をする場合、大企業なら片道0.2%、上場して間もない新興企業でも最大0.5%の手数料で売買できます(昼休み・夜間取引では1.0%)。

SBI証券やマネックス証券における単元未満株の手数料は0.55%(税込)ですので、LINE証券の日中取引のコストは比較的安いです。

低コストで少額投資できるのがLINE証券の魅力です(LINE証券と他証券の手数料(スプレッド)比較についてはこちら)。

購入するだけ(売却しない)なら、SBI証券またはマネックス証券がよい(手数料無料)

一度買ったら売却しない(つまり永久保有する)方針なら、SBI証券マネックス証券 が良いです。

SBI証券、マネックス証券の単元未満株は、購入時のみ手数料無料です。売却するときは0.55%(税込)かかりますが、購入するだけならどの証券会社よりも安いです。

永久保有がメインの投資家は、SBI証券マネックス証券 がおすすめです。

単元未満株(ミニ株、端株)の取引時間の比較

単元未満株の取引時間は特殊です。多くの証券会社では注文してから数時間後に決まる価格で成行買い(売り)することになっています。

成行注文とは取引所に出ている注文のうち最良の価格で売買する注文方法のことです。

したがって、注文時刻と約定時刻の間に数時間のタイムラグ(時間差)があるため、想定外の高値で買ったり、思いがけない安値で売ったりしてしまうリスクがあります。

価格変動リスクを抑えるためには、できるだけタイムラグが小さい証券会社を選ぶとよいです。

フロッギーはVWAPトレード方式(午前または午後の平均取引価格を加重平均した価格で取引する方式)を採用しています。

平均化されているので、予想外の価格になる可能性は小さくなりますが、価格を指定できないという点は成行注文と同じです。

取引時間の比較結果

各社の注文可能時間と、約定価格が決まる時間、注文締切から約定までのタイムラグをまとめたのが下表です。

会社名注文可能時間約定価格注文締切~約定までの時間
LINE証券9:00~14:50
17:00~21:00
(11:20~11:30、12:20~12:30を除く)
注文時の価格即時取引
SBIネオモバイル証券
SBI証券
①前日13:30~当日7:00
②当日7:00~当日10:30
③当日10:30~当日13:30
①当日前場始値
②当日後場始値
③当日後場終値
①2時間
②2時間
③1.5時間
マネックス証券 前日17:00~当日11:30当日後場始値1時間
auカブコム証券①前日10:01~前日23:00
②前日23:01~当日10:00
①当日前場始値
②当日後場始値
①10時間
②2.5時間
岡三オンライン①前日16:15~前日21:00
②前日21:00~当日10:30
①当日前場始値
②当日後場始値
①12時間
②2時間
フロッギー(SMBC日興証券)①前日16:00~当日2:00、当日5:00~当日8:00
②当日8:00~当日11:30
①当日前場の加重平均価格
②当日後場の加重平均価格
①1~3.5時間
②1~3.5時間

唯一、即時取引できて夜間取引も可能なのはLINE証券

LINE証券の単元未満株は、自社で仕入れた株式(つまり、在庫の株式)を投資家と直接売買する形式をとっています(これを相対取引といいます)。

そのため、上記の中で唯一、注文からのタイムラグなく即時取引が可能です。

LINE証券であれば、予想外の価格で売買するようなことはありませんので、安心して取引できます。

路井 なびお
路井 なびお

取引所が閉まっている夜間も17:00から21:00まで取引可能です。日中は取引できないサラリーマンの方でも、取引しやすいですね。

次にタイムラグが短いのはマネックス証券

LINE証券の次にタイムラグが短いのはマネックス証券(最小1時間)です。次に、SBI証券とSBIネオモバイル証券(最小1.5時間)、岡三オンライン(最小2時間)が続きます。

タイムラグによるリスクをできる限り小さくしたい方は、マネックス証券 を選ぶと良いです。

LINE証券以外で単元未満株の注文を出すときは、朝の時間帯がおすすめです。注文締切から約定価格が決まるまでのタイムラグが短いため、予想外の約定価格になりにくいです。

逆に夜などに発注すると、最大で約12時間程度のタイムラグがあります。日本の夜はアメリカやヨーロッパでは昼間の時間帯です。海外のニュースの影響が翌日の取引価格に影響しやすく、予想外の約定価格になりがちです。

夜に発注するのはあまりおすすめしません

単元未満株(ミニ株、端株)の取扱銘柄数の比較

1株から買える銘柄は証券会社ごとに違います。各社の単元未満株の取扱銘柄(どの証券取引所の上場銘柄を扱っているか)について、下表にまとめました。

会社名東証名証福証札証
LINE証券売買可(国内ETF:15銘柄、国内株式:1000銘柄)
SBIネオモバイル証券
SBI証券
売買可売却のみ可売却のみ可売却のみ可
マネックス証券 売買可売買可売却のみ可売却のみ可
auカブコム証券売買可売買可売却のみ可売却のみ可
岡三オンライン売買可売買可売却のみ可売却のみ可
フロッギー(SMBC日興証券)売買可売却のみ可売却のみ可売却のみ可

東証:東京証券取引所
名証:名古屋証券取引所
福証:福岡証券取引所
札証:札幌証券取引所

SBI証券、SBIネオモバイル証券、フロッギーでは名証銘柄の購入ができません。しかし、ほとんどの銘柄は東証に上場しており、名証でしか扱っていない銘柄はごくわずかです。

つまり、LINE証券以外の6社であればほとんどの銘柄を売買できます

LINE証券は取扱銘柄が限られているが、大企業・有名企業ならだいたい扱っている

一方、LINE証券で売買できる単元未満株は1015銘柄のみです。日本の上場銘柄は約4200銘柄(ETFやREITなど含む)ありますので、LINE証券ではその一部しか扱っていません。

取扱銘柄の豊富さにおいて、LINE証券はやや不利です。

路井 なびお
路井 なびお

とはいえ、有名な大企業であれば、その多くはLINE証券で取引できます(なお、単元株=100株単位なら、ほとんどの銘柄を売買可能です)。マイナーな銘柄を売買したいとき以外はLINE証券でも十分です。

単元未満株(ミニ株、端株)で投資初心者におすすめの証券会社ランキング

最後に、単元未満株取引で投資初心者におすすめの証券会社4社を順番に挙げます。

ランキング会社名手数料取引時間取扱銘柄数
1LINE証券
2SBIネオモバイル証券
3フロッギー(SMBC日興証券)
4マネックス証券

1位.唯一、即時取引・夜間取引ができるのはLINE証券

取引時間の自由度やアプリの使いやすさで選ぶなら、LINE証券が最もよいです。

LINE証券なら唯一、単元未満株を即時取引できますし、夜間取引(17:00~21:00)も可能です。

また、日中取引のスプレッド(実質的な手数料)は0.2~0.5%で安いです(昼休み・夜間は1.0%)。LINE証券は短期間で繰り返し売買したい方に向いています。

一方、取扱銘柄が限られるのがLINE証券の弱点ですが、大企業・有名企業ならほとんど扱っています。かなりマイナーな中小型株を売買したいとき以外は特に困りません。

LINE証券は直観的に操作できてわかりやすいのもメリットなので、特に投資初心者におすすめです。

2位.手数料の安さならSBIネオモバイル証券が最適

手数料の安さを重視するなら、SBIネオモバイル証券が最もよいです。月間合計売買金額が50万円までなら、何回取引しても手数料は実質20円/月という格安さが魅力的です。

SBIネオモバイル証券は2019年4月に営業開始した新興ネット証券ですが、ネット証券最大手のSBI証券と、TSUTAYAやTポイントを運営しているCCCの合弁会社が運営しています。歴史は短くても証券会社としての信頼感はあると考えています。

私もSBIネオモバイル証券を使って、毎月少額ずつ個別株を積み立てています。

SBIネオモバイル証券は開始からわずか11か月あまりで30万口座を超えたと発表しています。

1999年創業で、ネット証券第5位のauカブコム証券が113万口座ですので、SBIネオモバイル証券のユーザーは急激に増えていることがわかります。

3,4位.大手証券が良いなら、フロッギーかマネックス証券

もし大手証券会社のほうがいいという場合、おすすめなのはフロッギー(SMBC日興証券)です。フロッギーは100万円以下の取引なら買付手数料が無料です。

また、売却時の手数料は少し高くなりますが、マネックス証券 もおすすめです。マネックス証券は取引時間や取扱銘柄の点で若干有利だからです。

まとめ

本記事ではネット証券における単元未満株(ミニ株)の売買手数料や取引時間等を比較した結果について紹介しました。

単元未満株は取り扱う証券会社が限られていたり、取引手数料がやや高かったりなどのデメリットがあります。しかし、少額から分散投資できるというメリットが大きいです。

単元未満株は、特に個別株投資に興味があるけれども銘柄選定にまだ自信がないという初心者や、手持ちの投資資金がまだ少ない投資家におすすめです。

単元未満株(ミニ株)で投資を始めるなら、アプリの使いやすさで定評があるLINE証券や、手数料が格安なSBIネオモバイル証券をうまく活用するとよいです。

ランキング会社名手数料取引時間取扱銘柄数
1LINE証券
2SBIネオモバイル証券
3フロッギー(SMBC日興証券)
4マネックス証券

LINE証券


備考.ミニ株は本来1単元の1/10で売買するサービスのことであり、厳密には単元未満株とは異なります。しかし、実際にはあまり区別なく使われていることが多いため、本記事では単元未満株とミニ株を同じ意味で使っています。

補足.ネット証券各社の単元未満株(ミニ株)の取扱状況

代表的なネット証券の単元未満株の取扱状況は以下のようになっています。

会社名取扱の有無サービス名称
SBI証券売買可能S株
楽天証券 売却のみ可能
マネックス証券 売買可能ワン株
松井証券売却のみ可能
auカブコム証券売買可能プチ株
GMOクリック証券 売却のみ可能
岡三オンライン売買可能単元未満株
SBIネオトレード証券(旧ライブスター証券)売却のみ可能
LINE証券売買可能単元未満株
SBIネオモバイル証券売買可能S株
フロッギー(SMBC日興証券)売買可能キンカブ

SBI証券やマネックス証券など7社が売買可能となっています。

楽天証券など、他の証券会社では売却や買取請求のみできます(基本的に株式分割などで発生した単元未満株を手放すときのみの扱いです)。

路井なびお

自称「優良銘柄選びのソムリエ」。長期投資ブログ「ロイナビ(Long term investment Navi)」の管理人。

長期・積立・分散投資を基本として、インデックス投資と個別株(日米株)投資を実践しています。

優良なバリュー株や低コストなインデックス投信について調査・分析するほか、私が用いている分析方法や便利なツールなどについても紹介しています。

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