割安株(バリュー株)の見つけ方とスクリーニングツール6選。おすすめの指標と使い方の注意点について解説

この記事ではこんな疑問にお答えします。

  • 「割安株(バリュー株)探しに興味があるけど、銘柄の見つけ方がわからない」
  • 「割安株を簡単にスクリーニングできる方法はないだろうか?」

割安株投資(バリュー株投資)は日本の個人投資家に人気がある投資手法です。

しかし、実は株価が割安かどうかの判断はそんなに簡単ではありません。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの指標がよく使われますが、よく考えて使わないと失敗することも多いです。

本記事では、私が用いている割安株の判断方法(株価指標)とスクリーニングツール、その使い方の注意点について紹介します。

結論.企業価値を割安度の基準にするとよい。GMOクリック証券の財務分析ツールが使いやすい

最初に結論からいうと、割安株の基準として企業価値を使うとよいです。企業価値評価手法では収益性と資産性を総合して割安度を判断するので、PERやPBRよりも合理的に割安株選びができます。

企業価値をもとに算出した理論株価は長い目で見た時の株価の目安になるため、長期投資志向の方におすすめです。

以下では、企業価値評価手法の考え方と、割安株の具体的な探し方について解説します。

一方、企業価値評価手法は計算に手間がかかることがデメリットです。

仕事や家事などで毎日忙しい方は、GMOクリック証券の理論株価診断・スクリーニングツールを使うとよいです。ツールが自動的に理論株価を計算して表示してくれるので、手軽に割安株を探せて便利です(口座開設者は無料で使えます)。

バリュー投資に興味がある方は、GMOクリック証券無料ツールから始めてみるとよいです(私も確認用として使っています)。

割安株投資で重要なスクリーニング指標

割安株で長期投資する際、重視したいポイントは以下の4つです。

観点スクリーニング指標の例
株価が割安であるPER、PBR、理論株価(企業価値評価手法)
業績が成長している売上成長率・利益成長率
利益率が高い営業利益率
株主還元に積極的である配当利回り、配当性向
(&株主優待・自社株買いを実施しているか)

上記の4つのポイントを満たす銘柄の場合、長期的に企業価値が向上することで、株価の割安さも修正されて上昇することが多いです。長期投資をするなら、このような銘柄を選ぶとよいです。

本記事では、上記4つのポイントのうち、株価の割安な銘柄を見つける方法について詳しく紹介します。

上記4つのポイントについて詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
長期投資における銘柄の選び方の4つのポイントと、おすすめな日本株・米国株の例

代表的な割安株の指標と、その意味

割安株を判断するときに使われる代表的な4つの指標を、下表にまとめました。

指標の種類意味詳細ページ
理論株価(企業価値評価手法によるもの)企業価値(資産価値と事業価値の合計)に対する、株価の割安度理論株価
PER(株価収益率)業績のよさ(利益の大きさ)に対する、株価の割安度PER、PBR
PBR(株価純資産倍率)企業が保有する資産価値(純資産)に対する、株価の割安度
配当利回り年間配当金に対する、株価の割安度配当利回り

2~4番目のPERやPBR、配当利回りは手軽に調べられて便利な指標であり、ある程度参考になります。しかし、デメリットもありますので、実際に使うときは注意が必要です。
※詳しくは、補足.PER、PBR、配当利回りによる割安株の探し方と注意点をどうぞ。

一方、当サイトでおすすめしたいのは企業価値評価手法による理論株価を使うことです。企業の資産性と事業性を総合評価できるので、合理的に割安株を判断できます。

以下では、企業価値評価手法による理論株価の考え方について解説していきます。

本記事における企業価値評価の考え方

最初に、企業価値評価の考え方について説明します(早く具体的な評価方法について知りたい方はこちら)。

企業価値の評価方法は人によって、いろいろな考え方があります。絶対の正解というものはないので、自分の考えに合うものを選ぶとよいです。

その中でも私が使っているやり方(本記事で紹介する方法)は、コンサルタントで投資家、企業家の山口揚平氏が『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』で紹介している方法を参考にしています。

本書はすでに絶版となっていますが、名著として人気があったため、再編集されて『知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ』として発刊されています。

山口氏は大手外資系コンサルティング会社でM&Aに従事したのちに独立・起業した方で、企業価値評価に詳しいです。

山口氏が紹介する手法は簡易的だが、実用的

山口氏が紹介している方法は企業価値評価手法の中では簡易的なものです。

しかし、バリュー投資の神様と呼ばれる、ウォーレン・バフェットも「正確に間違えるよりも大雑把に正しいほうがましだ」といいます。山口氏の方法は簡易的でありながらも、十分割安さの目安として使えますので、むしろ実用的で使いやすいです。

山口氏の企業価値評価手法についてのレビューコメント

山口氏の著書『知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ』のamazonレビューから、企業価値評価について書かれたコメントを抜粋しました。

amazonレビュー1

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amazonレビュー2

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amazonレビュー3

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企業の本質的価値を測ることで投資に役立ちそうというコメントが多いですね。私もこのやり方を知ってから、大きな失敗をすることは明らかに減ったと感じていますので、本格的に投資をするなら知っておいて損はないと思います。

以下では山口揚平氏の方法を参考にして、私が用いている企業価値評価手法について解説します。

GMOクリック証券が提供している理論株価診断機能(財務分析ツールの機能のひとつ)は、もともと山口揚平氏の会社が有料で提供していた投資情報サービスをGMOクリック証券が受け継いだものです。

本記事で紹介するやり方とは細かい部分が異なるため、結果は多少異なります。しかし、基本的な考え方は同じなのでおおよそ似た結果が出ます。

手軽に使えて便利なので、私も参考値として使っています。

短期的な株価は需給に左右されるので、企業価値評価で割安な株を買えば、すべて利益が出るというわけではありません。

あくまでも企業価値評価は投資の判断要素の一つであることと、長期的な株価の目安であることに注意しておくとよいです。

企業価値評価手法による理論株価分析の概略

最初に、企業価値評価手法(バリュエーション)の概略について説明します。

企業価値評価手法では、企業の収益性と資産性をそれぞれ評価した結果から、総合的な企業の経済的価値(企業価値)を推計します。

企業価値を1株当たりの金額に換算したものは理論株価と呼ばれ、割安度の目安になります。図で表すと、以下のイメージです。

理論株価による投資判定

理論株価による投資判定

事業価値と資産価値から理論株価を計算し、実際の株価が理論株価より安ければ割安です。

企業価値評価手法は、M&Aで企業の買収価格を計算するときによく使われる手法です。

個人の株式投資とM&Aに何の関係があるのかと思うかもしれませんが、1株買うのも全株買うのも、規模が違うだけで本質的に同じです。

だから個人の株式投資における適正価格の計算にも企業価値評価手法を使うことができます。

企業価値の基本的な考え方(資産価値と事業価値の合計と考える)

企業価値という漠然としたものをなぜ金額に換算できるのでしょうか?その基本的な考え方を簡単に説明します。

そもそも株式は企業のオーナーとしての権利です。よって、企業の経済的な価値は、

  • これまで稼いで蓄えてきた資産(資産価値
  • これから稼ぐであろう利益(事業価値

の合計で評価できると考えられます。

つまり、資産性と収益性を合計して評価する手法が、「企業価値評価手法(バリュエーション)」です。

企業価値評価手法は、PERとPBRの特徴を合わせたような考え方です。

理論株価分析は短期的な株価を予測するものではないので、長期のスタンスで投資する必要がある

ただし、企業価値評価手法による理論株価分析の考え方は、需給による変動を完全に無視します。したがって、短期的な株価を予測することには適していません

もし短期的に(数日~数か月で)成果を出したいというのであれば、この手法は向いていません。

しかし、長い目(数年のスパン)でみると、株価は企業価値に連動することが知られています(世界一の投資家といわれるウォーレン・バフェットや、その師であるベンジャミン・グレアムも基本的に同じような考え方で成功しています)。

企業価値評価手法は、長期的な目線で考えて割安株投資をしたいという方に適しています。

企業価値評価手法で理論株価を計算するには財務分析が必要

企業価値評価手法では企業の財務内容(価値のある資産がどれだけあるか、負債の額はどれだけあるかなど)と業績(将来稼ぐであろう利益はどのくらいか)から理論株価を計算します。

したがって、企業価値評価手法を使って割安株探しをしたいなら、財務諸表を読み解けるようになる必要があります。

最初はやや難しいかもしれませんし、計算するにはそれなりに時間がかかりますので大変です。しかし、一度理解して慣れてしまえば投資判断がしやすくなります

後で述べるような自動的に計算できるツールもありますので、それほど大変というわけではありません。

割安株投資で成功したいなら企業価値評価手法を用いることをおすすめします。

理論株価の計算方法はいろいろありますが、その考え方と計算式を以下の記事で比較しています。詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。

理論株価(適正株価)の計算方法の比較と、使い方の注意点

企業価値評価手法による簡単な割安株の見つけ方(GMOクリック証券の財務分析ツールがおすすめ)

企業価値評価手法は財務諸表を読み解かないといけないので、ある程度の手間がかかります。

もっと手軽に企業価値評価手法による理論株価を知りたいなら、GMOクリック証券が無料で提供している財務分析ツールがおすすめです(口座保有者のみ閲覧可能)。

GMOクリック証券の財務分析ツールはもともと山口揚平氏の会社が有料で提供していたサービス

実は、GMOクリック証券の財務分析ツールは、前述の山口揚平氏が運営していた投資情報サイト「シェアーズ」で有料で提供されていたサービスです(のちにGMOクリック証券が受け継いで、口座開設者に無料で提供されるようになっています)。

GMOクリック証券の財務分析ツールの計算方法は私が用いている方法と多少異なります。しかし、基本的な考え方は同じなので、おおむね似た計算結果になります。理論株価を簡易的に調べたいときに便利なので、私は参考値として使っています。

優良な割安株(バリュー株)の見つけ方の具体例

これまでの説明だけでは企業価値評価手法による割安株投資のイメージがわかなかったかもしれません。

そこで、割安度分析の使い方の例として、私が2016年に購入した「中央自動車工業」の取引事例を紹介します。

中央自動車工業は国内向けコーティング剤や海外向け自動車補修部品など自社企画の自動車用品を販売する会社です。高付加価値品の販売が国内、海外で好調な会社です。東証2部上場でややマイナーな企業ですが、好財務な企業として定評があります。

中央自動車工業の長期の業績推移をみると、リーマン・ショックのころに一時低迷していますが、2012年以降は売上も営業利益もほぼ右肩上がりです。

中央自動車工業の業績(~2016年)

中央自動車工業の業績(~2016年)

一方、GMOクリック証券の財務分析ツールで理論株価と実際の株価の関係を見てみると、以下のようになっていました。
※株主価値 → 理論株価、市場価値 → 実際の株価と置き換えて見てください。

GMOクリック証券の財務分析ツールによる中央自動車工業の理論株価診断

GMOクリック証券の財務分析ツールによる中央自動車工業の理論株価診断結果

私が2016年に初めて投資した時点で、理論株価に対して実際の株価は約42%も割安となっていました。

株価が大幅に割安であるうえ、今後も業績の拡大が期待できて好財務であるため、長期保有できると考えて購入しました。購入時の単価は890円でした。

購入したのちは、四半期ごとに決算報告書を見ていったところ、期待通り順調な業績拡大が続きました。

中央自動車工業の業績

中央自動車工業の業績(~2018年)

業績拡大とともに株価も徐々に上がっていき、一時は2100円を超えたこともあります。買値の2倍以上になったわけです。

中央自動車工業の株価チャート

中央自動車工業の株価チャート

しかし、2018年4~6月期の業績にやや陰りが見えてきました。さらに、2018年春頃から米中の貿易摩擦や日米の自動車関税の問題などで自動車業界全体に逆風が吹き始めました。

この時の理論株価は下図のようにまだ割高ではありませんでしたが、以前ほど割安ではなくなっていました(約21%の割安)。

GMOクリック証券の財務分析ツールによる中央自動車工業の理論株価診断(2018年8月まで)

GMOクリック証券の財務分析ツールによる中央自動車工業の理論株価診断

自動車業界は業績が景気に左右されやすいという特徴があります。早めに売却して利益確定するほうがよいと考えて、2018年8月に中央自動車工業の株を売却しました。

高値からはだいぶ下がってしまいましたが、それでも1601円で売却できました。

以下が実際の取引履歴です。

中央自動車工業の取引履歴

中央自動車工業の取引履歴

最初に100株を8.9万円で購入し、2年間の保有後に約16万円で売却しています。この間、3回の配当で合計0.6万円を得ています。

つまり、約2年間の保有で87%の利益を得られました。

中央自動車工業の保有期間(2016年11月4日~2018年8月6日)におけるTOPIXの騰落率を調べると、約29%です。

中央自動車工業への投資はTOPIX連動型のインデックスファンドの成績を大きく上回っており、この投資は成功であったといえます。

中央自動車工業の事例のように、GMOクリック証券の理論株価を目安として使うことで有望な割安株を見つけることができます。

割安株(バリュー株)のスクリーニングでおすすめな、6つの検索ツールの比較

割安株の考え方はわかっても、銘柄情報画面でひとつずつ割安度を確認していくのは大変です。日本の上場企業は約3700社ありますので、すべての銘柄を確認していたら、どれだけの時間がかかるかわかりません。

そこで、おすすめなのが、スクリーニングツール(複数の条件を指定して、該当する銘柄をコンピューターで絞り込む機能)です。スクリーニングツールを使えば、簡単に割安株を探すことができますので、便利です。

無料で使えるものから有料のものまで、いろいろなスクリーニングツールがあります。あらかじめ用意されているスクリーニング条件もそれぞれ異なりますので、用途に応じて使い分けるとよいです。

例えば、以下のようなスクリーニングツールがあります。

番号スクリーニングサービス提供元メリットデメリット
1GMOクリック証券 ・上記の理論株価による割安度で絞り込める
・同口座内で財務分析も簡単にできる
・無料(口座開設者)
・スクリーニング条件のカスタマイズができない
2楽天証券 ・EV/EBITDA倍率による割安度で絞り込める
・無料(口座開設者)
・スクリーニング条件のカスタマイズができない
・現金以外の資産を考慮できていない
3会社四季報CD-ROM・自由にスクリーニング条件をカスタマイズできる・高価(年間2~3万)
4トレーダーズ・ウェブ ・PERやPBRなど、37の指標でスクリーニング可能
・無料
・簡易的な指標しかない
5株マップ ・PERやPBRなどで簡易に検索できる
・無料(詳細スクリーニングは有料)
・簡易的な指標しかない
6SBI証券 ・PERやPBR、クォンツスコアなどで簡易に検索できる
・無料(口座開設者)
・簡易的な指標しかない

中でも、3の会社四季報CD-ROM自由にスクリーニング条件を作成できるという他にはない魅力があります。どういう計算式にするかを考えたり、計算条件をプログラミングしたりという手間はかかりますが、一度設定を終えればずっと使えますので、銘柄選びが格段に楽になります(私も四季報CD-ROMをずっと使っています)。

ただし、四季報CD-ROMは値段が高価(年間2~3万円かかる)なので、最初から四季報CD-ROMを使うのはおすすめしません。

一方、無料ツールの中でみると、一番おすすめなのはGMOクリック証券です。先述の理論株価を使って手軽に割安株を絞り込めるうえ、同口座内で財務分析も簡単にできます。

つまり、GMOクリック証券を使えば、銘柄調査をワンストップでできるので便利です(私も確認用として使っています)。

以下では、GMOクリック証券のスクリーニングツールについて、詳しく解説します(2~6については、補足2.他のスクリーニングツールの特徴をどうぞ)。

簡単に割安株を検索するなら、GMOクリック証券のスクリーニングツールがおすすめ

GMOクリック証券が無料で提供しているスクリーニングツールを使えば、前述の理論株価に対して割安な株を簡単に絞り込むことができます。

実際に、GMOクリック証券で用意されているスクリーニング条件を見ると、以下のようになっています。

GMOクリック証券のスクリーニング条件

GMOクリック証券のスクリーニング条件

「割安度」の項目が、前述の理論株価に対する現在の株価の割安度を表しています。割安度を〇〇%以上と設定してスクリーニングすることで、簡単に割安株を見つけられます。

おすすめのスクリーニング条件の一例

株価が割安でも業績が悪い株などはあまり株価上昇を期待できないことが多いです。

そのような銘柄を除外するには、複数の条件をつけてスクリーニングするとよいです。

ただし、残念ながらGMOクリック証券で設定できるスクリーニング条件は他社と比較してあまり充実しているわけではありません。

用意されている条件の中でおおざっぱにスクリーニングし、後は自分で詳細を確認することをおすすめします。

スクリーニング条件の一例として、以下のような条件を設定してみるとよいです。

  • 割安度:30%以上
  • 黒字:5期連続以上
  • PER:10倍以下
  • PBR:2倍以下
  • ROE:10%以上
  • ROA:5%以上
  • 株主資本比率:40%以上

上記のスクリーニング条件を設定して検索すると、96社を抽出できました(2019年4月)。

GMOクリック証券のスクリーニング結果の一部

GMOクリック証券のスクリーニング結果の一部

もちろん上記のスクリーニング条件で選ばれた銘柄のすべてが投資する価値のある銘柄というわけではありません。中には業績が下降中の銘柄などもありますので、中身を精査しないといけません。

しかし、約3700社の中から96社に絞り込めれば、割安株探しの手間はかなり減らせます。本格的に割安株投資をしたいなら、GMOクリック証券スクリーニングツールを使うと便利です。

割安株のスクリーニングの具体的な手順

スクリーニングというと、難しそうに感じる方もいるかもしれません。しかし、既存のスクリーニングツールを使うならば、それほど難しいものではなく、一度使ってみると、簡単に銘柄候補を探せることに感動すると思います。

以下の記事では、楽天証券のスクリーニングツールを例として、スクリーニングの具体的な手順を解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
長期投資におけるスクリーニングのコツと、失敗しないための2つの注意点

割安株(バリュー株)投資の注意点

上記では理論株価による割安度診断の方法を示しました。しかし、実際の株価は必ず(短期的に)理論株価に近づくというわけではありません。何も考えずにツールの結果を信じてしまうと失敗してしまいます。

理論株価を用いた割安株投資において、以下の3つについて注意するとよいです。

  • 株価が下落トレンドであるときに買わない
  • 割安な株価が修正されるまでに時間がかかる(長期的な視点で投資しないといけない)
  • 企業価値の計算は推測が混ざっているため、不確実である

上記の注意点と対策については以下の記事でまとめていますので、詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
理論株価(適正株価)の使い方の注意点

まとめ

本記事では割安株の見つけ方と、簡単に割安株探しができるスクリーニングツールについて紹介しました。

割安株投資で大事なのは、どうやって割安度を判断するかです。企業価値評価手法は株式の価値を資産性と収益性を総合して判断できますので、合理的に株価の割安度を計算することができます。

PERやPBRを使う方法より手間はかかりますが、GMOクリック証券無料で提供しているツール(財務分析ツール・スクリーニングツール)を使えば比較的簡単にできますから、おすすめです。

割安株投資に興味があるなら、まずは企業価値評価手法による割安度診断(GMOクリック証券のツール)を試してみることをおすすめします。

補足1.PER、PBR、配当利回りによる割安株の探し方と注意点

割安株選びでよく使われる指標としてPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)、配当利回りがあります。これらの指標の意味とメリット、デメリット、注意点について簡単に解説します。

PERとPBR、配当利回りの定義と目安

PER、PBR、配当利回りの定義と適正値の目安、割安度の見方は以下のようになっています。

指標定義適正値の目安割安度の見方
PER株価÷1株あたり当期純利益15~20倍小さいほど割安
PBR株価÷1株あたり純資産1~2倍小さいほど割安
配当利回り年間配当金÷株価1~5%大きいほど割安

PER、PBR、配当利回りは代表的な割安度の指標であり、ヤフーファイナンスや証券会社のホームページ(銘柄情報画面)などで簡単に調べられるため、便利です。

また、PERやPBR、配当利回りはほとんどのスクリーニングツールで対応していますので、手軽に使いやすいというのもよい点です。

ただし、下図のように、PERやPBRの平均値は業種ごとに大きく異なる点に注意が必要です

業種別の平均PER

業種別の平均PER(2019年7月末、引用:規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)一覧)

PERやPBRを使うときは、業種平均と比較することが大事です。

東証上場企業の「規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)一覧」を調べるには、以下を参照するとよいです。
規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)一覧

PERとPBR、配当利回りのメリット・デメリット(注意点)

PERとPBR、配当利回りは簡単に使えて便利ですが、その使い方には注意が必要です。気を付けるべき点はいろいろありますが、そのメリット・デメリットをまとめると、下表のようになります。

指標良い点悪い点
PER過去の業績にとらわれずに判断するので、将来を見据えた投資がしやすい単年度の業績(利益額)から判断するので、振れが激しく、景気循環の影響が大きい業種では判断が難しい
PBR過去の利益の蓄積で評価するので、業績の変動の影響を受けにくい現在~将来の業績が悪いと万年割安状態に陥る
配当利回り予測しにくい値上がり益よりも、配当金額の多さのほうがわかりやすい配当金額は経営陣の意向次第で変わるので、配当利回りが高いからといって割安とは限らない

どれも一長一短があり、正直言って判断が難しいケースもよくあります。PERでは割安なのに、PBRでは割高みたいな場合もあるため、判断に困ることも多いです。

PERやPBR、配当利回りだけでわかることには限界があるため、当サイト「ロイナビ」では、PERやPBR、配当利回りだけで割安株を判断することはおすすめしません

割安さの指標としておすすめな理論株価の考え方(企業価値評価手法)についてみるにはこちら

ただし、PERやPBRは投資家の多くが使っている指標ですし、無視はできないです。目安として使うことをおすすめします。

PERやPBRの活用方法と注意点について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。
割安株の指標PER・PBRの目安は?その意味と使い方、注意点について解説

高配当利回りの注意点と、高配当株の選び方についてはこちらの記事もどうぞ。
長期の株式投資でおすすめな高配当・優良株の選び方(2つの投資戦略と注意点)

補足2.他のスクリーニングツールの特徴

ここでは、他のスクリーニングツールの特徴について、簡単に解説します。

EV/EBITDA倍率で割安株を検索するなら、楽天証券のスクリーニングツールがおすすめ

GMOクリック証券の理論株価と似た割安度の指標として、EV/EBITDA倍率があります。

PERやPBRほど有名な指標ではないので、対応しているスクリーニングツールは多くないですが、楽天証券ならばスクリーニング可能です(口座保有者は無料で使用できます)。

EV/EBITDA倍率の定義

EV/EBITDA倍率の定義は以下です(いろいろなバリエーションがありますが、楽天証券の場合です)。

EV/EBITDA倍率(楽天証券)

EV/EBITDA倍率(楽天証券のホームページより引用)

どういう意味か分かりづらいですが、実は企業価値評価手法と同じ概念を表しています。

EV/EBITDA倍率の意味

EV/EBITDA倍率の意味を簡単に説明します(難しければ飛ばしてもよいです)。

まず、企業価値評価手法における割安の条件式は以下のようになります。

割安の条件

割安の条件式

事業価値は、EBITDA=営業利益 + 減価償却費 のK倍
資産価値は、現預金 – 有利子負債
EV = 時価総額 + 有利子負債 – 現預金
として割安の条件式を整理すると、割安の条件式は以下のようになります。

割安の条件4

割安の条件式

つまり、EV/EBITDA倍率がKより小さいと、割安であるということになります。

定数Kは、資産価値+事業価値が時価総額相当になるにはEBITDAの何倍稼げばよいかという指標です。一般的に用いられるKの平均値は6~8倍くらいといわれますので、目安として、Kが5倍以下であれば割安株であると考えておくとよいです。

ただし、楽天証券のEV/EBITDA倍率の場合、現預金以外の資産を考慮していません。そのため、現預金は少ないけれども、有価証券や棚卸資産、固定資産などが多い企業を見過ごしてしまう可能性が高くなります。

GMOクリック証券では現預金以外の資産も考慮して計算しているため、隠れた優良銘柄を見つけられる可能性が高まります。どちらかというと、GMOクリック証券のスクリーニングツールをおすすめします。

EV/EBITDA倍率でスクリーニングした結果

ちなみに、楽天証券のスクリーニングツールでEV/EBITDA倍率が5倍以下の銘柄を探したところ、全3761社中、973社ありました(2019年4月)。つまり、上場企業全体の1/4くらいに絞られたということです。

この中からさらに業績などの条件でスクリーニングしてけば、さらに有望な企業を絞りこむことができます。

楽天証券の評判や口コミについては以下の記事にまとめてあります。詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。
楽天証券の評判と口コミ。投資信託が豊富でポイントがたまりやすいのでおすすめ

本格的に割安株投資をしたいなら会社四季報CD-ROMのスクリーニングツールがおすすめ(ただし、高価)

GMOクリック証券、楽天証券のスクリーニングツールは便利ですが、予め用意されているスクリーニング条件しか使えないことがデメリットです。

自分でスクリーニング条件をカスタマイズして使いたいという方におすすめなのが、『会社四季報CD-ROM』のスクリーニングツールです。

『会社四季報CD-ROM』を使えば、複雑なスクリーニング条件を自由自在に作れます。

スクリーニング条件を作るのは少し大変ですが、一度、組んでしまえば、繰り返し使えます。割安株(バリュー株)を探す作業が大幅に楽になりますので便利です。

ただし、会社四季報CD-ROMの唯一のデメリットは価格が高いことです。投資資金が少ないうちはなかなか使いづらいと思いますので、最初は無料で使えるGMOクリック証券や楽天証券のスクリーニングツールがおすすめです。

一方、ある程度の資産規模がある方は元をとれると思いますので、会社四季報CD-ROMを使うとよいです。

無料で試しにスクリーニングツールを使ってみたいなら、トレーダーズウェブか株マップ

トレーダーズウェブのスクリーニング画面の一部

トレーダーズウェブのスクリーニング画面の一部(引用:トレーダーズウェブ)

株マップのスクリーニング画面

株マップのスクリーニング画面(引用:株マップ)

トレーダーズウェブと株マップでは、会員登録や口座開設などをする必要がなく、無料でスクリーニングツールを使えます。機能はあまり多くないですが、PERとPBRによるスクリーニングができます。

PERやPBRはほとんどの人がチェックしている指標なので、これらだけでお宝バリュー株を探すのは正直いって、難しいと思います。しかし、無料で試しにスクリーニングツールを使ってみたいという場合にはトレーダーズウェブや株マップは良いと思います。

PERやPBR、クォンツスコアでスクリーニングするなら、SBI証券

SBI証券のスクリーニング画面の一部

SBI証券のスクリーニング画面の一部(引用:SBI証券)

SBI証券のツールもスクリーニング条件はそれほど多くないです。しかし、SBI証券ではクォンツスコア(クォンツリサーチ株式会社が各銘柄の成長性や割安性、企業規模、テクニカル、財務健全性、市場トレンドに対して、定量的に点数をつけて評価したもの)でスクリーニングすることも可能です。

クォンツスコアを使えば、手軽に優良銘柄を探せるので便利です。SBI証券の口座保有者なら無料で使用できます。

割安株(バリュー株)投資
ロイナビ

長期投資ブログ「ロイナビ」の管理人。主に割安株やインデックスファンドに投資しています(成長株にも興味があります)。

株や投資信託の選び方のノウハウやお得情報などを発信しています。

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