
LINE証券に興味がありますが、手数料はどのくらいですか?

LINE証券の取引手数料は無料となっていますが、実はスプレッドという形で実質的な手数料がかかります。
他の証券会社と仕組みが異なっていてわかりにくいため、事前によく理解してから取引しましょう。
本記事ではLINE証券の手数料の仕組みを解説します。さらに、同じく単元未満株で少額取引可能な他証券会社の手数料と比較した結果について紹介します。
先に結論からいうと、LINE証券の手数料は比較的安いです。その特徴は以下のようになっています。
- 日中取引の手数料(スプレッド)は取引金額の0.2~0.5%で比較的安い
- ただし、昼休み・夜間取引の手数料は1.0%でやや高い

LINE証券のデメリットは単元未満株の取扱銘柄が限定的なことです。しかし、有名な大企業ならば、その多くはLINE証券でも投資可能です(単元株=100株単位ならほとんどの銘柄を売買可能)。
はじめての投資では株価の値動きが比較的緩やかで、身近な大企業のほうが適しています。最初はLINE証券で少額からリスク小さく始めてみるとよいです。
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LINE証券の手数料の仕組み(単元未満株)
LINE証券しかし、LINE証券は相対取引(OTC取引とも呼ばれ、投資家はLINE証券と取引する)であるため、スプレッドという事実上の手数料がかかります。
スプレッドがあるというのは、たとえば、証券取引所の価格が1000円のときに1005円の価格が提示されるということです(この場合、差額5円がスプレッド)。
スプレッドというのはFX(外国為替証拠金取引)で一般的な方式です。
一方、LINE証券で単元株取引(ほとんどの銘柄では、100株単位の取引のことを指す)をするときの手数料は、以下のようになっています。
他のネット証券と比べて十分安く、業界最安レベルのSBI証券や楽天証券と同じです(1取引ごとに手数料がかかるプランで比較)。
LINE証券の日中取引のスプレッドは小さいが、夜間はやや高め
LINE証券のスプレッドは、開始当初は固定されておらず、非開示となっていました。しかし、今は以下の値で固定され、明示されるようになりました(引用:LINE証券の公式ページ)。
グループ分けについて、大まかにいうと以下のようになっています(詳しくはグループ別の対象銘柄一覧(公式ページ)を参照)。
- グループA:大企業や有名企業、ETFなど315銘柄
- グループB:中堅企業など500銘柄
- グループC:新興企業など200銘柄
- グループD:上場して間もない新興企業など13銘柄
LINE証券の日中取引の手数料は0.2~0.5%です(昼休み・夜間は1.0%)。つまり、グループAの銘柄を10,000円買い付けた場合のスプレッドは20円であり、比較的安いです。スプレッドが安く固定されたことでだいぶ使いやすくなりました。

一方、夜間取引のスプレッドは1.0%であり、やや高いです。できるだけ日中に取引するほうがいいですね。
実際のスプレッド調査結果
日中取引におけるスプレッドを、私が実際に試してみたところ、以下のようになっていました(これはスプレッドが0.05%になっていた時期の結果です)。
左側のスマホに表示されているのがLINE証券でみたKDDIの株価(スプレッド込みの価格、購入時)で3159.6円、背景のPC画面に表示されているのがGMOクリック証券でみたKDDIの株価(手数料を含まない価格)で3158円です。
両者を比較すると、LINE証券のスプレッドは約0.05%となっており、公表されているとおりに安かったです。
※現在のスプレッドは、日中:0.2~0.5%、昼休み・夜間:1.0%です。
公式ホームページはこちら⇒ LINE証券
LINE証券とSBIネオモバイル証券などの手数料を比較
一方、LINE証券が特長としている、単元未満株(ミニ株)取引は以下のネット証券でも可能です。
それぞれの手数料を比較し、単元未満株に適した証券会社がどこかについて解説します。
単元未満株の売買手数料の比較
上記7証券の単元未満株の売買手数料は以下のようになっています。
会社名 | 手数料(税込) | 最低手数料(税込) |
---|---|---|
LINE証券 | スプレッドがかかる 日中取引:0.2~0.5% 昼休み・夜間取引:1.0% (LINE証券の手数料についてはこちら) |
|
SBIネオモバイル証券 | 月額制(月間合計取引額が50万円以下の場合、実質的な手数料は20円/月) (SBIネオモバイル証券の手数料についてはこちら) |
|
SBI証券 | 0%(買付) 0.55%(売却) | 0円(買付) 55円(売却) |
マネックス証券 | 0%(買付) 0.55%(売却) | 0円(買付) 52円(売却) |
auカブコム証券 | 0.55% | 52円 |
岡三オンライン | 最低0.66% | 220円 |
フロッギー(SMBC日興証券) | 購入時:無料(100万円以下) 1.0%(100万円以上) 売却時:0.5%(100万円以下) 1.0%(100万円以上) | なし |
多くの証券会社の手数料は1取引ごとに決まりますが、SBIネオモバイル証券のみ月額制です。

手数料体系が異なっているので比較しにくいですね。一番安いのはどこですか?

一番安い証券会社は売買金額によって異なります。グループAの大企業の株式を売買すると仮定し、以下で場合分けして解説します。
月間合計売買金額が1万円以下なら、LINE証券の手数料が安い
月間合計売買額が1万円以下で、すべて日中にグループAの銘柄を取引するなら、LINE証券が良いです。
グループAの大企業の場合、LINE証券なら取引金額に関わらず、日中取引のスプレッド(実質的な手数料)は0.2%です。
1万円以下の少額取引(すべて日中取引)であれば、手数料は20円以下となるため、LINE証券の手数料(スプレッド)が最も安くなります。

1万円と聞くと少なく感じますが、最初から大金を投資するのはリスクが大きいです。初めての投資なら、練習を目的として毎月1万円ずつ投資するくらいで十分ですね。
月間合計売買金額が1万円以上なら、SBIネオモバイル証券の手数料が安い
一方、月間合計1万円以上の売買をするなら、SBIネオモバイル証券が良いです。
SBIネオモバイル証券では月間の合計取引額に応じてサービス利用料という形で手数料がかかります。サービス利用料の金額は以下のとおりです。
月間合計取引額が50万円まで手数料は220円(税込)です。一方、SBIネオモバイル証券では毎月Tポイントを200円分もらえます。
つまり、月間合計取引額が50万円以下の場合、手数料は実質的に20円(消費税分)です。ほぼ無料と言ってもいいくらいの安さです。
ある程度投資に慣れてきて、購入・売却を何度か行うようになると、月間1万円は超えてしまうと思います。ある程度の金額で取引しそうならば、SBIネオモバイル証券がよいです。
SBIネオモバイル証券とLINE証券の、手数料以外の違い

手数料以外に違いはありますか?どう使い分ければよいですか?
SBIネオモバイル証券とLINE証券の主な違いとして、以下があります。
取扱銘柄 | 夜間取引 | |
---|---|---|
SBIネオモバイル証券 | 東証上場のほとんどの銘柄を1株から売買可能 | 不可能 |
LINE証券 | 単元未満株(1株単位)は一部の銘柄のみ売買可能 (単元株=100株単位はほとんどの銘柄を売買できる) | 可能(300銘柄のみ、17:00~21:00) |
1株単位で有名な大企業に投資したいなら、LINE証券がよいと思います。LINE証券なら夜間取引もできますので、日中は仕事で忙しいサラリーマンにも適しています(LINE証券のメリット・デメリットについて、詳しくはこちら)。
一方、隠れた優良銘柄が多い中小型株に1株から投資したいならSBIネオモバイル証券を使うとよいです。夜間取引はできませんが、取引の自由度が高いです(SBIネオモバイル証券のメリット・デメリットについて、詳しくはこちら)。
はじめての投資ならLINE証券、ある程度投資に慣れている方ならSBIネオモバイル証券が使いやすいと思います。
まとめ
本記事ではLINE証券の手数料の仕組みと、他の証券会社の手数料との比較結果について紹介しました。
LINE証券投資をするのは初めてという方は、LINE証券で始めてみるとよいです。