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割安株(バリュー株)投資

日本株でバフェット流投資をするなら、往年のバフェット銘柄がよい!?

この記事はこのような方に役立ちます。

  • 「外国株取引はハードルが高いから、日本株でバフェット銘柄を探したい。」
  • 「バフェットの投資基準で優良・割安な日本株を探しているけど、いい企業がなかなか見つからない。」
私は主に日本株で運用しており、バフェット銘柄に相当する銘柄を日本株で見つけたいと思っていますが、なかなか発見できないのが悩みです。

実は、日米の株式市場には大きな違いがあります。そのため、現在のバフェットの銘柄選択基準では、日本株に投資しにくいのです(バフェットは、福島の超硬工具メーカーの「タンガロイ」を孫会社にしていますが、バフェットが直接投資している日本企業は、1つもありません)。

追記:2020年、バフェットが会長を務めるバークシャー・ハサウェイが初めて日本株(5大総合商社の三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事)に投資したことで話題になりました。記事執筆時点から状況が少し変わっていますが、全体的な傾向は今も変わっていません。

では、日本株でのバフェット流投資は諦めたほうがいいのでしょうか?

いえ、そうではありません。実は、昔のバフェットの銘柄選択基準は、現在と異なっていたのです。現在の日本株市場の場合、昔のバフェットの銘柄選択基準に近づけたほうが良い結果が得られるかもしれません。

本記事では、「バフェット銘柄を探すうえで認識すべき、日米の株式市場の違い」と「バフェットの銘柄選択基準の変化」について紹介します。

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バフェット銘柄を日本株で探す際に認識すべき、日米の株式市場の違い

バフェットの代表的な銘柄選択基準として、以下があります。

  1. 消費者独占型企業であるか?
  2. 1株あたり利益が安定して成長しているか?
  3. 財務内容が良いか?
  4. 現状を維持するための設備投資や研究開発費が多くないか?
  5. 一時的な不人気のため、株価が割安であるか?
  6. ROE(株主資本利益率)は安定的に高いか?

かなり条件が厳しいので、米国株でも探すのは大変です。もし、これらの基準で日本株から探そうとする場合、大きな壁があります。

バフェットが日本に投資しない理由は、ROEの低さと考えられる

最も難しい点は、日本企業は全般的に利益率が低いため、ROEが米国に比べて格段に低い点です。

例えば、東証1部の大型株の平均ROEは、10.7%であるのに対して、アメリカの代表的な大型株指数であるS&P500採用銘柄の平均ROEは15%です。約1.5倍の差は大きいですね!

実は、以前の日本株の平均ROEは8%未満といわれていました。近年の好景気でだいぶ改善したのですが、それでもアメリカ株の水準はさらに高いのが実態です。

一方、バフェットは、少なくともROE15%以上を目安にしているといいます。そのため、日本企業だとかなり選択肢が限られてしまうのです(実際、バフェットが日本株に直接投資したことは、一度もありません)。

日本株市場は、バフェット流投資に適さない市場なのか?

では、日本株は投資するに値しない市場なのでしょうか?

いえ、そうではありません。

バフェットがROEの高さに着目しているのには、バフェット特有の事情があります。別の観点に着目すれば、日本株市場も有望な市場なのです。

バフェットの銘柄選択基準の変化

現在のバフェットの投資スタイルを象徴する格言として、以下の言葉があります。

まずまずの企業を素晴らしい価格で買うより、素晴らしい企業をまずまずの価格で買うことの方がはるかに良い

ROEが高ければ、まずまずの価格で買ったとしても、企業の成長につれて、将来的には割安に買ったことと同じになるためです。

一方、実は、若いころのバフェットは「まずまずの企業を素晴らしい価格で買う」という投資スタイルをとっていました。バフェットの師匠である、ベンジャミン・グレアムの投資スタイルであり、ネットネット株投資と呼ばれます。

もともと激安株投資家だったバフェットが、企業の成長性(ROE)を重視するようになったのは、なぜでしょうか?

バフェットがROEを重視するのは、割安に買うのが難しくなったから

現在のバフェットの投資スタイルが変わったのは、巨額の資金を運用するようになったためです。

どういうことかというと、時価総額の大きい銘柄の場合、多くの投資家が注目しています。多くのプロの投資家が投資機会を探しているため、明らかに割安な株価で放置される銘柄は少なくなります。

その結果、巨額の資金を運用するようになったバフェットは、素晴らしい価格の銘柄を見つけにくくなったため、「素晴らしい企業をまずまずの価格で買う」投資スタイルに移行したのです。

つまり、「素晴らしい企業をまずまずの価格で買うこと」が絶対的に正しいのではなく、価格と成長性のバランスで決めるべきと考えられます。

もしバフェットの目線で日本株を選ぶならば、割安さを重視する必要がある

ROEの低さからか、日本企業の株価は割安なものが多いです。

例えば、東証1部上場企業の平均PBRは、1.3倍です。一方、アメリカの平均PBRは3倍くらいですから、日本株は格段に割安です。

よって、ROEが低い日本株で勝負するならば、成長性を期待しにくいため、代わりに割安さを重視するほうが良いと、私は考えています。

つまり、日本株でバフェット流投資をしたいならば、往年のバフェットの銘柄選択基準である、「まずまずの企業を素晴らしい価格で買う」ことを重視するのがおすすめです(もちろん、割安で素晴らしい企業がベストです)。

日本株の銘柄選定の参考になりましたら、幸いです。

まとめ

  • 日本株は、全体的にROEが低いので、現在のバフェット流投資「素晴らしい企業をまずまずの価格で買う」は通用しにくい。
  • 一方で、日本株は、米国株よりも割安なものが多いため、往年のバフェット流投資「まずまずの企業を素晴らしい価格で買う」を実践するほうがおすすめ。
「割安株の判断基準があればいいのに」と思ったことがある方へ

実は、企業価値評価手法を使うことで、妥当な株価(=理論株価)は計算できます。

理論株価というと難しそうに感じますが、無料で使えるツールもありますので、実はそんなに難しくありません(もちろん活用する上で注意すべき点はあります)。

銘柄選びでいつも迷ってしまうという方には理論株価を使った割安株投資がおすすめです。

路井なびお

自称「優良銘柄選びのソムリエ」。長期投資ブログ「ロイナビ(Long term investment Navi)」の管理人。

長期・積立・分散投資を基本として、インデックス投資と個別株(日米株)投資を実践しています。

優良なバリュー株や低コストなインデックス投信について調査・分析するほか、私が用いている分析方法や便利なツールなどについても紹介しています。

ツイッターもやっていますので、よければフォローお願いします。

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