単元未満株(ミニ株、端株)であれば、少額から株式投資できます。損するリスクが比較的小さくて取り組みやすいため、個別株投資をするのが初めてという方に人気です。実際、私も最初の株式投資は単元未満株で始めました。
単元未満株なら気軽に投資を始められそうです。どういう場合に使えばいいのですか?
単元未満株は少額から分散投資できることが特徴です。投資の練習をしたい場合や、少額からコツコツ積み立てていきたい場合などに適しています。
本記事では単元未満株のメリット・デメリットと、使い方の注意点について解説し、おすすめの使い方と証券会社について紹介します。
単元未満株を売買できて、使いやすさで人気なのはLINE証券
LINE証券はアプリ開発で培った操作性のよさと、手数料の安さで、投資初心者に人気です。また、LINE証券では夜間取引もできますので、仕事が終わった後にゆっくり取引したい方におすすめです。最初はLINE証券で始めてみると良いです。
単元未満株(ミニ株、S株、ワン株、プチ株)を扱っている証券会社
単元未満株は特殊な売買のように感じるかもしれません。しかし、実は以下のネット証券7社で売買可能です。
新興ネット証券のSBIネオモバイル証券やLINE証券だけでなく、ネット証券最大手のSBI証券や、口座数第3位のマネックス証券 でも売買できます。意外と身近で、使いやすい制度です。
ネット証券の中で比較的口座数が多くて人気のある楽天証券や松井証券などでは購入できませんので注意してください。
また、株式分割などで発生した単元未満株(端株)については上記の証券会社以外でも売却(または買取請求)できます。
単元未満株の評判・口コミ、ユーザーの使い方
単元未満株について、ツイッターをみてみると、たとえば以下のような口コミがありました。
値嵩株は投資出来ないと思ってたけど、単元未満株で売買すれば良いだけじゃね?って気付いた。
— jll (@yokoyokopurin) October 2, 2019
累進配当株の中で何種類か単元未満株を買いました!
投信と並行しながら、余裕があるときにちょっとずつ買い足して行こうかな— まめ@投資初心者 (@mame_NISA) September 30, 2019
単元未満株なら少額で挑戦できるし、とネオモバイル証券の手続き進行中。米国株や高配当ETFとやらにも興味が。いやでも先ず積み立てNISA&iDeCo上限まではお金を集中すべき?
書籍や動画で知れば知るほど、色々なものに挑戦したくなる。試してみたくなる。だけど資金が絶望的に足りないっていう。— 許由 (@xu3_you2) October 9, 2019
初めて単元未満株を買いました。
コツコツには最適!
ただ、買付のタイミングが限られるのはけっこうデメリットだと思った。どうすれば良いのか… #ネオモバ pic.twitter.com/E5XiPzi0kw
— 投資郎@ネオモバで貯株 (@toushiro_yotaro) September 3, 2019
少額から投資したい方や、コツコツ派の方が多いですね。単元未満株は初めての投資で、資金がまだ少ないという方にはちょうどよいサービスです。
一方、「単元未満株のような少額投資では資産を大きく増やすことはできないから、やっても意味がない」という意見もみられます。しかし、金銭的な利益だけでなく、それ以外のメリットにも目を向けてみるとよいです。
たとえば、株式投資の勉強や、銘柄を継続的にチェックしたいという目的で行うなら、単元未満株は最適だと私は考えています。
以下では、単元未満株のメリット・デメリットについて解説します。
単元未満株(ミニ株、S株、ワン株、プチ株)のデメリット
初心者でも始めやすくて便利な単元未満株ですが、以下のようにデメリットが3つあります。
デメリットがあるとはいえ、初めての投資の方にとっては、少額からリスク小さく始められるというメリット(後述)のほうが大きいです。自分のリスク耐性に合わせて、上手に単元未満株を活用するとよいです。
上記のデメリットについて、詳しく解説していきます。
デメリット1.単元未満株の手数料はやや高いことが多い(ただし、SBIネオモバイル証券は格安)
単元未満株を取引可能な証券会社の取引手数料は以下のようになっています。
会社名 | 手数料(税込) | 最低手数料(税込) |
---|---|---|
LINE証券 | スプレッドがかかる 日中取引:0.2~0.5% 昼休み・夜間取引:1.0% (LINE証券の手数料についてはこちら) |
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SBIネオモバイル証券 | 月額制(月間合計取引額が50万円以下の場合、実質的な手数料は20円/月) (SBIネオモバイル証券の手数料についてはこちら) |
|
SBI証券 | 0%(買付) 0.55%(売却) | 0円(買付) 55円(売却) |
マネックス証券 | 0%(買付) 0.55%(売却) | 0円(買付) 52円(売却) |
auカブコム証券 | 0.55% | 52円 |
岡三オンライン | 最低0.66% | 220円 |
フロッギー(SMBC日興証券) | 購入時:無料(100万円以下) 1.0%(100万円以上) 売却時:0.5%(100万円以下) 1.0%(100万円以上) | なし |
多くの証券会社では1取引ごとの約定金額に対して手数料が決まるようになっています。
たとえば、SBI証券、マネックス証券 、フロッギー(SMBC日興証券)の往復(買付と売却)手数料は約0.25%です(フロッギーについては、100万円以下の少額取引のとき)。続いてauカブコム証券の手数料が0.5%となっています。
一方で、単元株(100株単位の通常取引のこと)の売買手数料は約定金額によって異なりますが、おおよそ0.1%くらいです。単元未満株は一般的に手数料が割高です。
SBIネオモバイル証券の取引手数料は格安(月間合計取引額が50万円以下の場合)
一方、SBIネオモバイル証券は単元株・単元未満株の月間合計取引額に対して手数料が決まり、その額は格安です(月間合計取引額が50万円以下の場合、実質的な手数料は20円)。
SBIネオモバイル証券を使えば、ほとんど手数料を気にすることなく単元未満株を売買できます。私も単元未満株を買うときは、SBIネオモバイル証券を使っています。
LINE証券はスプレッドという形で実質的な手数料がかかります。日中取引におけるLINE証券のスプレッドは0.2~0.5%で比較的安いです(昼休み・夜間は1.0%)。
LINE証券は単元未満株の取扱銘柄が限定されているというデメリットがありますが、有名な大企業であれば、だいたい取引できます。
大企業・有名企業で投資したいという方は、LINE証券もおすすめです。
中でも、フロッギー(SMBC日興証券)とマネックス証券 は買付時の手数料が無料(フロッギーは100万円以下まで)ですので、お得感もあります。
デメリット2.単元未満株では指値できない(成行注文のみ)
単元未満株では基本的に指値注文ができず、成行注文での売買しかできません。
※指値注文は売買の値段を自分で指定して注文する方法
成行注文は価格を指定せず、そのときに出ている注文の価格で売買する方法
しかも、注文確定から成行注文が約定するまで数時間かかる証券会社が多いため、どんな価格で約定するのかわかりません。
そのため、中小型銘柄のように流動性が低い銘柄(注文が比較的少ない銘柄)で成行注文をすると、思わぬ高値で買ってしまうことがあります。
想定外の価格になっても困らないように、単元未満株は少額ずつ、複数回に分けて発注するとよいです。
とはいえ、よほどの場合でないと変な株価で売買してしまうことはありません(私は困ったことはないです)。過度に心配する必要はありません。
実はLINE証券を使うと、注文した時点の価格で即時取引できます。
画面に表示されている価格を見ながら単元未満株を売買できますので、成行注文の不安感はありません。
成行注文が嫌な方は、LINE証券を活用すると良いです。
デメリット3.一部の銘柄は単元未満株で取引できない
証券会社によっては、単元未満株を売買できない銘柄が一部あります。例えば、SBI証券の場合、以下のようになっています。
- 売買ともに可能:東証1部・2部・マザーズ・JASDAQ上場銘柄
- 売却のみ可:名証(1部・2部・セントレックス)・福証(Q-Board含む)・札証(アンビシャス含む)上場銘柄
ライザップグループのように全国的に有名な会社でも札証にしか上場していない銘柄もわずかながらあります。ライザップのような銘柄を買いたいと思っても、単元未満株で購入することはできません。
単元未満株(ミニ株、S株、ワン株、プチ株)のメリット
次に、単元未満株のメリットは以下の3つです。
それぞれについて、詳しく解説していきます。
メリット1.単元未満株(ミニ株)は少額から投資できる
単元未満株の最大のメリットは少額から投資できることです。
たとえば、個人投資家に人気のソフトバンクグループの例で説明します。ソフトバンクグループの1単元は100株であり、その株価は1株あたり9505円です(2018年12月4日終値)。
つまり、通常の取引(単元株取引)でソフトバンクグループの株を購入するには、9505円 × 100 = 約95万円が必要です。投資資金に余裕がある方でないと難しい金額です。
また、一度に95万円投資した場合、10%値下がりするだけで約9.5万円の含み損になってしまいます。高額な単元株は、銘柄選びに自信がある経験者でないと購入しづらいです。
一方、単元未満株であれば1株から購入することができます。つまり、約1万円で購入することも可能です。投資金額が小さければ値下がりのリスクも小さいため、銘柄選びに慣れていない投資初心者でも安心して投資できます。
また、少額から投資できることで以下の2つのメリットがあります。
少額でも分散投資しやすい
1つ目のメリットは、単元未満株を使えば少額でも分散投資しやすいことです。
株式投資は値下がりのリスクがあるため、1つの銘柄に集中投資するのではなく、複数銘柄に分散して投資するほうがよいです。
しかし、これから投資を始めようという方で投資資金が少額に限られているという方も多いです。もし20万円しか投資できないのに分散投資しようとすると、1単元の金額が安い銘柄しか選べないという問題があります。
一方、単元未満株であればソフトバンクのような銘柄でも、約20銘柄に分散投資できます。
似た業種の銘柄でない限り、10~15銘柄以上持っていればある程度の分散効果は得られますので、20銘柄に分散投資できれば十分です。
単元未満株を使えば少額から分散投資できるというメリットがあります。
少額ずつ買えば、高値づかみのリスクを軽減できる
さらに、単元未満株を使えば高値づかみのリスクを減らすこともできます。
たとえば、以下は私が2013年に購入したアイスタイルの取引記録です。
最初に689円で11株を購入したのち、株価の値下がりに応じて8回買い増しまして年末まで保有し続けました。
2013年末の残高報告書(以下)をみると、年末の終値は624円で1683円の含み益が出ています。
もし最初の689円の時に一括で購入していたら年末には約1万円の含み損になっていました。しかし、合計9回に分けて購入したため、約1700円の含み益の状態にできました。
つまり、単元未満株を使えば複数回に注文を分けられるため、高値づかみするリスクを軽減できます。購入タイミングを細かく分割できる単元未満株は投資初心者でも損しにくいというメリットがあります。
単元未満株で投資を始めるなら⇒ SBIネオモバイル証券
メリット2.単元未満株(ミニ株)も配当を受け取れる
配当金は1株ごとに受け取れますので、単元未満株主も配当収入を得られます。株数が少ないと大きな金額にはなりにくいですが、定期的に収入を得られるという喜びは得られます。
はじめての投資なら、単元未満株から始めるのがよいと思います。
メリット3.一部の銘柄では単元未満株でも株主優待がある(隠れ優待、端株優待、裏優待)
多くの企業では株主優待は1単元以上からとなっていますので、単元未満株では株主優待をもらえません。しかし、ごく一部の銘柄では1株から株主優待がもらえる場合があります(隠れ優待、端株優待、裏優待などと呼ばれます)。
カレンダーや自社製品優待券などが多いですが、利用する予定がある方にはお得です。隠れ優待、端株優待に関しては下記のサイトが詳しいので、興味がある方はこちらもどうぞ。
端株優待 隠れ優待 単元優待 一覧表
単元未満株で投資を始めるなら⇒ SBIネオモバイル証券
単元未満株(ミニ株)の使い方:株式投資初心者が入門用として使うとよい
単元未満株は投資金額が小さいので損失のリスクが小さく、少額から分散投資できることがメリットです。銘柄選定に多少失敗しても大きな損失にはなりにくいという特徴があります。
したがって、単元未満株は株式投資の入門用としての使い方に適しています。
ある程度慣れて投資資金がたまったら単元株に移行するとよい
一方で、単元未満株で大きな利益を出すことは難しいです。銘柄数を増やそうとすると業績チェックが甘くなるうえ、結局インデックスファンドに近い成績になるため、意味がありません。
ある程度銘柄選定に慣れて投資資金がたまったら単元株投資に移行することを考えることをおすすめします。
単元未満株で投資を始めるなら⇒ SBIネオモバイル証券
日本株の単元株投資でおすすめのネット証券についてはこちらの記事をどうぞ。
単元未満株(ミニ株)でおすすめの証券会社ランキング
最後に、単元未満株でおすすめの証券会社を順番に4つ挙げます。
ランキング | 会社名 | 手数料 | 取引時間 | 取扱銘柄数 |
---|---|---|---|---|
1 | LINE証券 | 〇 | ◎ | △ |
2 | SBIネオモバイル証券 | ◎ | △ | 〇 |
3 | フロッギー(SMBC日興証券) | 〇 | △ | 〇 |
4 | マネックス証券 | △ | △ | 〇 |
1位.唯一、即時取引・夜間取引ができるのはLINE証券
取引時間の自由度とアプリの使いやすさで選ぶのならば、LINE証券がよいです。
LINE証券なら唯一、単元未満株を即時取引できますし、夜間取引(17:00~21:00)も可能です。
また、日中取引のスプレッド(実質的な手数料)は0.2~0.5%で安いです(昼休み・夜間は1.0%)。LINE証券は短期間で繰り返し売買したい方に向いています。
一方、取扱銘柄が限られるのがLINE証券の弱点ですが、大企業・有名企業ならほとんど扱っています。マイナーな中小型株を売買したいとき以外は特に困りません。
LINE証券は直観的に操作できてわかりやすいのもメリットなので、特に投資初心者におすすめです。2位.手数料の安さならSBIネオモバイル証券が最適
手数料の安さを重視するなら、SBIネオモバイル証券がよいです。月間合計売買金額が50万円までなら、何回取引しても手数料は実質20円/月という格安さが魅力的です。
SBIネオモバイル証券は2019年4月に営業開始した新興ネット証券ですが、ネット証券最大手のSBI証券と、TSUTAYAやTポイントを運営しているCCCの合弁会社が運営しています。歴史は短くても証券会社としての信頼感はあると考えています。
私もSBIネオモバイル証券を使って、毎月少額ずつ個別株を積み立てています。
SBIネオモバイル証券は開始からわずか11か月あまりで30万口座を超えたと発表しています。
1999年創業で、ネット証券第5位のauカブコム証券が113万口座ですので、SBIネオモバイル証券のユーザーは急激に増えていることがわかります。
3,4位.大手証券が良いなら、フロッギーかマネックス証券
もし大手証券会社のほうがいいという場合、おすすめなのはフロッギー(SMBC日興証券)です。フロッギーは100万円以下の取引なら買付手数料が無料です。
また、売却時の手数料は少し高くなりますが、マネックス証券 もおすすめです。マネックス証券は取引時間や取扱銘柄の点で若干有利だからです。