東洋経済(四季報)の理論株価を調べる3つの方法とその評価。使い方の注意点について

四季報の理論株価 割安株(バリュー株)投資
この記事ではこんな疑問にお答えします。

  • 「理論株価を知りたいけど、どこを見ればいいの?」
  • 「理論株価はどこまで信用していいの?」
東洋経済新報社は株式投資家のバイブルともいわれる、「会社四季報」を発行している企業ですので、信頼感がありますね。

とはいえ、一般的に理論株価の計算には、いろいろな推測が入っていますから、使い方には注意が必要です。

本記事では、「東洋経済の理論株価はどこで見られるか」、「使い方の注意点」について紹介します。

東洋経済の理論株価を調べる方法

東洋経済の理論株価を調べる方法は3つあります。

それぞれについて、以下で詳しく解説します。

会社四季報プロ500(おすすめ度:高)

安価で手軽なのが、「会社四季報プロ500」です。年4回、会社四季報と同時に発売される書籍です。

会社四季報プロ500と会社四季報の違いは、会社四季報は全上場銘柄約3700社の情報を解説しているのに対して、四季報プロ500は厳選された500銘柄のみを詳しく扱っていることです。

一方、理論株価が載っているのは、会社四季報プロ500だけであり、会社四季報には載っていません。会社四季報プロ500の巻末に主要約2950社(全上場企業の8割程度)のデータが載っています。

全銘柄の理論株価データをWebサイトからダウンロードする方法

また、全銘柄情報を見たければ、「会社四季報プロ500」のWebサイトからダウンロードできます

その手順は以下のようになっています。

1.まずは、ダウンロードページにアクセスしてください。
会社四季報プロ500の理論株価のダウンロード

2.指定されているキーワードを入力します。
(2018年夏号であれば、45ページ目に掲載の銘柄の証券コード(4桁の数字)となっています。)

会社四季報プロ500の理論株価のダウンロードページ

会社四季報プロ500の理論株価のダウンロードページ

3.アンケートに答えれば、データをダウンロードできます。

会社四季報CD-ROM(おすすめ度:中)

会社四季報CD-ROMは、全銘柄の理論株価をPC上で見られます。

さらに、四季報CD-ROMの良いところは、理論株価だけではありません。

四季報CD-ROMには、理論株価のほか、業績や財務情報など、複数のデータを組み合わせてオリジナルのスクリーニングができます。

例えば、

  • 実際の株価が理論株価より割安
  • 自己資本比率が40%以上
  • 今期の営業利益が前期より20%以上UP

なんていうスクリーニングが一瞬でできます。

ファンダメンタルズ重視派にとって、大変便利です!

会社四季報CD-ROM価格が高いのが難点ですが、スクリーニングの優秀さのため、私は3~4年前から買い続けています。

理論株価をスクリーニングに使いたいときは、
「ダウンロード・他データ」-「DL・プロ500理論株価(円)」-「直近」
を選んでください。

四季報CD-ROMの理論株価に関するスクリーニング条件画面

四季報CD-ROMの理論株価に関するスクリーニング条件画面

週刊東洋経済(おすすめ度:低)

たまに、週刊東洋経済でも理論株価の記事がでることがあります。

一番安く見られますが、見たいときに見られるものではありません。
しかも、一部の主要な銘柄のみです。
(2017/3/18号では、1114社)

四季報プロ500か会社四季報CD-ROMを使うほうが、オススメです。

無料で理論株価を見るなら、GMOクリック証券の財務分析ツールがおすすめです。GMOクリック証券の理論株価は東洋経済の理論株価と計算方法が違いますので、同じ結果にはなりません。しかし、企業の財務内容や業績から企業価値を金額に換算するという考え方は類似しています。

無料で手軽に割安度を診断できて便利ですので、私も参考値として使っています。

理論株価に興味がある方はGMOクリック証券 を使ってみるとよいです。

失敗する前に知っておきたい、東洋経済(四季報)の理論株価の計算式とは?

理論株価は、何らかの計算式を用いて、企業の価値を推測したものです。

よって、理論株価を使うときに、一番注意したいのが、どうやって理論株価を求めているかです。

東洋経済の理論株価の計算方法は、以下のようになっています。

東洋経済の理論株価の計算方法

東洋経済の理論株価の計算方法

特殊要因による過大な理論株価を避けるため、時価に対する倍率を最大3倍に制限している。
「理論株価」の算出式(週間東洋経済Plus)
会社四季報プロ 500/リスク情報・理論株価の詳細解説

簡単にいうと、現在の資産価値と、将来稼ぐ利益を合計して算出しています。

しかし、将来稼ぐ利益というのは、未来のことですから、どうなるかわかりませんね。

よって、将来稼ぐ利益には推測が入らざるをえないのです。

したがって、その推測方法によって、理論株価は大きく変わってしまいますので、注意が必要です。

(細かく言えば、現在の資産価値も実際に売却しなければわからないため、ある程度推測が入っています。)

東洋経済の計算方法の場合、
(将来の利益)=(将来のBPS)×(現在のROE(3期平均))
により、将来の利益を推測しています。

この推測方法の場合、次のような理由で、異常値が発生する場合があります。

理論株価だけで判断せず、企業の実態に見合った理論株価になっているかも確認する必要があります。

東洋経済の理論株価を使う際の注意点

最近の利益に異常値がないか?

1株利益には、有価証券や不動産の売却益などの特別損益が加算されていることがあります。

特別損益は継続的な利益ではないので、将来の利益に大きな誤差が出てしまいます。

よって、計算の前提となる1株利益に、特別損益が計上されていないかを確認しないといけません。

もし、特別損益が計上されている場合、その分を差し引いて計算しなおすとよいです。

現在のROE水準が持続するか?

もう一つ大事なのは、現在のROEが将来にわたって持続するか、という点です。

東洋経済の理論株価の計算方法では、15期先までの利益を、現在のROEのまま成長すると仮定して計算しています。

ROEは指数関数的に効いてきますので、ROEが高いと、将来の利益は莫大になり、理論株価が高騰します。

しかし、ROEの高さを持続できないと、実際の1株利益は予想より小さくなってしまいますので、注意しないといけません。

ROEの持続性を検討するうえで、例えば、以下の点に注意する必要があります。

成長による鈍化

創業から間もない、小型の企業の場合、ニッチな市場で独占的な商品・サービスを提供する会社が多いため、ROEが高くなる傾向があります。

規模が小さいうちは、資金を投資することで、規模を拡大していけますが、ある程度規模が大きくなると、投資の余地が減っていきます

結果的に、成熟企業になると、ROEは一般的に低下する傾向があります。

企業の成長余地がどれだけあるかに注意する必要があります。

一時的なブームでないか?

ゲーム等のエンターテイメント企業や、半導体産業などは好不況の波が激しいことで有名です。

一時的なブームで利益が増大し、高ROEになったとしても、数年後には低ROEになってしまうことがあります。

一時的なブームで高ROEになっている場合は、避けたほうが賢明です。

自己資本比率が極端に低い、BPSが極端に小さい

自己資本比率が低い(BPSが小さい)企業は、ROEが高くなる傾向があります。

負債によるレバレッジをかけて、成長を目指しているという状態であり、比較的若い企業が多いと思います。

一方で、企業が成長すると、財務体質を改善し、自己資本比率を高めていくのが普通です。

自己資本比率の改善とともにROEは低下します。

自己資本比率の低さ(高レバレッジ)による高ROEにも注意が必要です。

まとめ

  • 東洋経済新報社の理論株価をみるには、会社四季報CD-ROM会社四季報CD-ROM、週刊東洋経済の3つがある。
  • 東洋経済の理論株価は、将来の利益の推測が含まれている。
    特別損益の計上や、ROEの持続性を検討し、企業の実態に見合った理論株価になっているかを確認しながら使う必要がある。
「割安株の判断基準があればいいのに」と思ったことがある方へ

実は、企業価値評価手法を使うことで、妥当な株価(=理論株価)は計算できます。

理論株価というと難しそうに感じますが、無料で使えるツールもありますので、実はそんなに難しくありません(もちろん活用する上で注意すべき点はあります)。

銘柄選びでいつも迷ってしまうという方には理論株価を使った割安株投資がおすすめです。

割安株(バリュー株)投資
ロイナビ

長期投資ブログ「ロイナビ」の管理人。主に割安株やインデックスファンドに投資しています(成長株にも興味があります)。

株や投資信託の選び方のノウハウやお得情報などを発信しています。

「ロイナビ」をフォローする
この記事をシェアする
「ロイナビ」をフォローする
ロイナビ(長期投資ナビ)
タイトルとURLをコピーしました