- 「投資で資産を増やしたいけど、資産運用には詳しくないし、忙しくて暇がない。」
- 「何年かかってもいいから、あまり手間をかけずに投資をしたい!」
その運用方法とは、インデックス投資です。インデックス投資は、投資の神様とも呼ばれる、ウォーレン・バフェットも推奨している方法です(詳しくいうと、米国株の主要な株価指数であるS&P500に連動するインデックスファンドへの投資です)。
バフェットはインデックス投資の優位性を認めており、株主への手紙の中で以下のように語ったことがあります。
「私の遺産の90%はS&P500に連動するETF(インデックス型の上場投資信託のこと)に投資しなさい」
このメッセージは、バフェットが遺言するくらいインデックス投資のメリットを認めていることを示しており、私たち一般投資家にとっても大変参考になる言葉です。
なぜ、バフェットは、アメリカ株へのインデックス投資をおすすめしているのでしょうか?
本記事では、「インデックス投資が良い理由」と、「何を、どうやって買えばよいのか」について、ご紹介します。
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まず、バフェットの遺言の内容について、ご紹介します。
バフェットは、自身の経営するバークシャーの株主向けに毎年、手紙を執筆しており、2013年の手紙の中に、以下の言葉があります。
What I advise here is essentially identical to certain instructions I’ve laid out in my will.
~(中略)~
Put 10% of the cash in short-term government bonds and 90% in a very low-cost S&P 500 index fund. (I suggest Vanguard’s.) I believe the trust’s long-term results from this policy will be superior to those attained by most investors – whether pension funds, institutions or individuals – who employ high-fee managers.
BERKSHIRE HATHAWAY INC. SHAREHOLDER LETTERS 2013
この意味は、以下です。
「私がおススメしたいのは、私が遺言に記した方法と本質的に同じやり方をとることです。
(中略)
現金のうち、10%は米国短期国債にし、90%は超低コストのS&P500のインデックスファンドに投資しなさい(例えば、バンガード社のファンドです)。そうすれば、高額な手数料をとる運用者に委託している、どの投資家(年金基金など)よりも、長期的にみれば、よい結果を残せるものであると信じています。」
つまり、どの株式を選べばよいか、を決めるために高いコストをかけなくても、S&P500のインデックスに投資しておけば長期的には成功する、と言っているのです。
S&P500というと難しく感じるかもしれませんが、日本で例えると、日経平均とかTOPIXに投資しておけばよい、というのと同じことですから、簡単ですね。
(ただし、後で述べるように、日経平均とS&P500には大きな違いがあります。)
バフェットがS&P500のインデックスファンドを推奨するという違和感
しかし、バフェットのことをよく知っている人であれば、違和感を感じるかもしれません。
なぜならば、バフェット自身は、集中投資で資産を莫大に増やした人です。
「分散は無知に対するヘッジだ」とも述べたことがあります。
一方、ETFによるインデックス投資は、市場平均を丸ごと買う投資法です。
例えば、S&P500であれば500社を少しずつ買います。
徹底した分散こそがインデックス投資の特徴です。
なぜ集中投資家のバフェットが、徹底した分散を基本とするインデックス投資を推奨しているのでしょうか?
バフェットがインデックス投資を推奨する理由
その理由は2つ考えられます。
長い目で見れば、手間をかけずに、誰でもよい結果を得られるから
1つは、企業分析の手間やスキルがいらないという点です。
バフェットが集中投資で成功したのは、優良な企業だけを厳選できたからです。
集中投資の場合、企業分析に失敗すると、大きな痛手を負ってしまいます。
一方で、インデックスの場合、市場全体の成長に投資しています。
資本主義経済はイノベーションの連続によって、発展していくものですから、長い目で見れば、市場全体は発展しています。
例えば、アメリカのGDPを見ると、ほぼ右肩上がりに増加しており、それとともに株価の市場平均指数であるS&P500も大きく変動しながら、右肩上がりに増加しています。
企業分析をしなくても、だれでも成功できるというのがインデックス投資の利点です。
ETFは低コストだから
インデックス投資のもう一つの利点は、投資にかかるコスト(信託報酬、総経費率)が安いということです。
アクティブファンドでは、年率1~2%(もしくはそれ以上もある)もかかりますが、バフェットが推奨しているバンガード社のETFでは、年率0.1%以下のものもあります。
例えば、S&P500に連動するVOOのコストは、年率0.04%です!
年率1%の違いは誤差程度に思うかもしれませんが、もし20年たったら、約18%の差がついてしまいます。
長期投資であるほど、コストの違いには敏感になるべきであり、コストの安さがインデックス投資の利点です。
インデックス投資の優位性については、経済評論家として有名な、山崎元氏と、インデックス投資実践ブログ「梅屋敷商店街のランダムウォーカー」の管理人、水瀬ケンイチ氏の共著、「全面改定 ほったらかし投資術」に詳しく書かれています。
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S&P500は、ヘッジファンドとの対決で大勝している
バフェットはインデックス投資のすばらしさを証明するために、アクティブ投資(インデックスでない投資)の代表である、ヘッジファンドと対決をしています。
具体的には、S&P500に連動するファンドを100万ドル買い、ヘッジファンドを100万ドル売るポジションを構築し、10年後にその結果を見るというものです。
(ヘッジファンドと合意したうえで始めています。)
2018年の株主への手紙にその結果があります。
S&P500の10年間のリターンは、年率8.5%であったのに対して、ヘッジファンドのリターンはそれに及ばなかったということであり、インデックスの大勝でした。
もちろん、数あるアクティブファンドの中には、インデックスファンドを上回る成績を出す場合もあります。
しかし、過去に成績がよかったファンドが、これからも成績がよいとは限りません。
成績には好不調がありますが、どのファンドがよいかを事前に当てるのは困難です。
平均的に見れば、アクティブファンドの成績は、インデックスファンドと変わらなくなり、コストが高い分、アクティブファンドの成績が劣ってしまうのが実態です。
よって、企業分析のコストをかけたくなくて、ほどほどの成績でよいのであれば、インデックス投資は最善の選択と考えられます。
長期投資におすすめな投資信託(インデックスファンド・ETF)の選び方
日本でもインデックス投資がしやすくなっている
以前は、日本では、ETFに投資しにくかった
私が投資を始めたのは、10年以上前ですが、以前は、インデックス投資が今ほど人気ではありませんでした。
その原因の一つとして、コストの問題や、アクセスの悪さがあったと思います。
例えば、
- 国内のインデックス型投資信託の信託報酬が高めだった。
(先進国株式で0.2~0.3%、新興国株式・債券は0.5~0.6%くらい) - 国内のETFは種類が少なく、出来高も少なかった。
→結果的に指数からの乖離(トラッキングエラー)が大きかった。 - 外国のETFを買える証券会社が限られ、売買手数料が高かった。
(最低手数料25ドルで、現在の5倍) - 外国のETFは、特定口座に対応しておらず、
自分で損益計算、確定申告をしなければいけなかった。
手数料や運用成績で条件が良いのは米国上場のETFですが、3,4の理由で難しかったため、私は、1,2の比較的高い信託報酬とトラッキングエラーを我慢して、国内のインデックス型投資信託に投資していました。
米国株投資がしやすくなった
しかし、近年、外国ETF取引の手数料が最低0ドルに引き下げられ、特定口座にも対応したため、確定申告で苦労することもなくなりました。
(SBI証券、楽天証券、マネックス証券の場合)
条件のよい米国上場のETFを取引しやすくなったため、インデックス投資が非常にやりやすくなっています。
バフェットがおススメする、S&P500への投資も今では簡単になっており、インデックス投資の人気が日本でも広がっています。
国内の投資信託でも信託報酬引き下げ競争が進んでいる
しかし、米国ETFを買うには、それなりのまとまった資金が必要です。
そこまで大きな資金がない場合は、国内の投資信託を選ぶことになります。
幸いなことに、国内の投資信託も信託報酬引き下げが進んでいます。
先進国・新興国の株式・債券がおおよそ0.1%台、高いものでも0.2%台で買えるようになりました。
米国上場のETFには及ばないですが、だいぶよい水準になってきたと思います。
毎月、投資信託で少しずつ積み立てて、ある程度まとまったところで、米国ETFに移す、というのもよい方法です(以前、私もやっていました)。
インデックス投資のデメリット
メリットの多いインデックス投資ですが、もちろん、デメリットもあります。
成長を続ける国・分野に投資しないといけない
アメリカ株の市場平均であるS&P500と、日本株の市場平均であるTOPIXを比較しました。
S&P500は数度の暴落がありながらも、右肩上がりに成長していますが、TOPIXは、いまだに平成バブル期のピークを越えられていません。
もちろん、バブル期の株価が割高になりすぎていたというのが主な原因ですが、もう一つの原因は、経済が成長しているかという点にあります。
アメリカはGDPが右肩上がりに成長しているのに対して、日本は、30年近く横ばいを続けています。
市場平均であるインデックスは、経済の発展とともに拡大する傾向がありますので、成長を続ける国に投資したほうが良いのです。
(日本のバブル期のように、期待値で変化する側面もありますので、GDPだけでは決まりませんが。)
バフェットが、S&P500への投資を遺言している、というのは、アメリカ経済はこれからも発展を続けると予測しているということの表れと考えてもよいです。
インデックス投資をするならば、成長が見込まれる国・分野を見極めないといけません。
ゆっくりとしか、成長できない
S&P500は、長い目で見れば、右肩上がりに成長していますが、年率9&くらいです。
100万円投資していたら、1年で109万円になるくらいです。
一方で、本屋で投資雑誌を見ると、
「1年で10倍になる株を狙え!」
などと景気のよい言葉が並んでいます。
インデックス投資ではゆっくりとしか増えないのは確かなので、じっくりと待つという根気が必要なのです。
短期間で売ってしまうと、インデックス投資の恩恵を受けることができず、損してしまう場合もあります。
手間がかからなすぎて、面白くない
投資自体に興味がでて、企業分析が楽しいとなった場合、インデックス投資は正直いって、面白くありません(笑)
すべてが機械的に済んでしまうことがメリットなので、本来、デメリットとはいえないかもしれませんが、投資自体が好きな人にとっては、物足りないのが事実です。
また、市場全体に投資しますので、よくない企業にも自動的に投資してしまいます。
もっと時間をかけてでも、優良な企業に厳選して投資したいのであれば、個別株投資をするのがよいでしょう。
(バフェット自身も、時間をかけて優良企業を厳選したから、投資で大成功できたのです。
インデックス投資だけがすべてではありません。)
私もはじめは、インデックス投資でスタートしましたが、企業分析自体が楽しくなったため、主軸は個別株投資になりました(笑)
(一部ではインデックス投資も継続していますが)
超低コストでおすすめのETF
バンガード社のETF「VOO」(S&P500に連動)
バンガード社のETF「VOO」は、S&P500をベンチマークとして連動するように作られたETFです。
総経費率は0.04%で超低コストです。
ETFが設定された2010年9月以降の成績を見ると、以下のようになっています。
2010年以降、ずっと景気がよかったから、きれいな上り調子ですね。
年率リターンが設定来で14.75%(2018年3月31日)というのは驚異的な成績です。
バンガード社のETF「VTI」(米国の大~小型企業のインデックスに連動)
同じく、バンガード社のETF「VTI」もおすすめです。
こちらはS&P500ではなくて、CRSP USトータル・マーケット・インデックスへの連動を目指したETFです。
総経費率はVOOと同じく、0.04%で超低コストです。
S&P500のような大型株だけでなく、中小型株も含めています。
(保有銘柄数は3590社!)
5年間のトータルリターンは、若干VOOのほうが良いですが、遜色ないレベルです。
中小型株のほうが一般的に成長余地が大きいことと、銘柄入れ替えが少ないことから、本来のポテンシャルは高いETFだと思います。
ステート・ストリート社のSPDRシリーズのETF
さらに、ステートストリート社から、バンガード社のETFを下回る、超低コストのETFが登場しています。
最安のものでは、総経費率0.03%です。
まだ総経費率が引き下げられてから、日が浅いので、純資産額はバンガードに及んでいませんが、最小でも3億ドル以上ありますので、それほど気にしなくていいレベルです。
運用成績もバンガード社とほとんど変わらないので、投資する価値のあるETFだと思います。
SBI、マネックス証券で超低コストETF開始!バンガードと比較してみました。
資産クラス | SPDR ティッカー | SPDR 総経費率 | バンガード ティッカー | バンガード 総経費率 |
---|---|---|---|---|
米国総合株式 | SPTM | 0.03% | VTI | 0.04% |
米国大型株 | SPLG | 0.03% | VV | 0.05% |
米国中型株 | SPMD | 0.05% | VO | 0.05% |
米国小型株 | SPSM | 0.05% | VB | 0.05% |
S&P500グロース株 | SPYG | 0.04% | VOOG | 0.15% |
S&P500バリュー株 | SPYV | 0.04% | VOOV | 0.15% |
S&P500高配当株 | SPYD | 0.07% | VYM | 0.08% |
S&P先進国株(除く米国) | SPDW | 0.04% | VEA | 0.07% |
米国総合債券 | SPAB | 0.04% | BND | 0.05% |
米国短期社債 | SPSB | 0.07% | VCSH | 0.07% |
米国中期社債 | SPIB | 0.07% | VCIT | 0.07% |
米国長期社債 | SPLB | 0.07% | VCLT | 0.07% |
米国短期国債 | SPTS | 0.06% | VGSH | 0.07% |
米国長期国債 | SPTL | 0.06% | VGLT | 0.07% |
お得にインデックス投資をするには?
SBI証券、マネックス証券、楽天証券で外国株取引
米国ETFの取引をするには、SBI証券、マネックス証券、楽天証券がおススメです。
この3社は、最低手数料が0ドルで安く、特定口座にも対応しているので、
確定申告で苦労することもありません。
外国ETFに興味があるけど、まだ口座がないという場合は、この3社で口座開設するのがおススメです。
SBI証券は住信SBIネット銀行を経由すると、為替手数料が片道4銭になるので、使いやすいですが、マネックス証券は米国株の取扱銘柄数が圧倒的に多いのがメリットです。
楽天証券は、取引手数料の1%分の楽天ポイントがたまるので、ポイントを貯めたい方にはいいと思います。
米国株取引 | SBI証券 | マネックス証券 | 楽天証券 |
---|---|---|---|
取扱銘柄数(個別株式) | 3684 | 3753 | 3340 |
取扱銘柄数(ETF) | 305 | 311 | 321 |
取引手数料 | 0.495%(税込) | 0.495%(税込) | 0.495%(税込) |
為替手数料 (1ドルあたり、片道) | 25銭 (住信SBIネット銀行 経由で4銭) | 25銭 | 25銭 |
用途別のおすすめ証券会社については以下の記事にまとめてあります。詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。
ロボアドバイザーを利用する
インデックス投資は基本的に放置が重要ですが、長期間続けている間に、資産配分が崩れてしまいます。
定期的にリバランス(資産配分を当初予定に戻すこと)をすることで、利回りを高めることができます。
こういった作業が面倒という方には、ロボアドバイザーを使うという手段もあります。
代表的なのは、ウェルスナビ(Wealth Navi)や、テオ(THEO)といったサービスです。
ロボアドバイザーとは、「いくつかの質問に答えるだけで、コンピューターがアルゴリズムにしたがって、自動的に最適な投資方針を決めて運用してくれる」というサービスです(ウェルスナビやテオを使えば、完全ほったらかしで資産運用できます)。
運用報酬が1%程度かかってしまいますが、自動的にリバランスや配分比率の変更をやってくれますから、完全放置で資産を増やしたいという方にはウェルスナビがおすすめです。
まとめ
- バフェットが推奨する、インデックス投資は長い目でみれば、誰でも、手間なく成功できる投資方法なのでおススメ。
- 日本でも、手数料の低下や特定口座への対応などで、条件のよい米国上場ETFに投資しやすくなっている。
- 超低コストなバンガード社、ステート・ストリート社のETFなどで成長を続ける国・分野(例えば、アメリカ株)に投資するのがおススメ。