記事内に広告が含まれています。

ファンドオブザイヤー2019銘柄の実質コストを徹底比較。低コストなインデックスファンドはeMAXIS Slimシリーズ

この記事はこのような方に役立ちます。

  • 「投信でおすすめの銘柄を知りたい」
  • 「コストが安くて評判のよい投信を探すにはどうしたらよいだろう?」
投信選びで参考になるランキングとして「投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー(Fund of the Year)」があります。このランキングには信託報酬が安くて低コストなファンドが多く並んでいるため、投信選びにおすすめです。

しかし、実は信託報酬以外にも隠れたコスト(以下、隠れコスト)があります。

隠れコストは事前に明示されるものではなく、運用報告書の中で事後報告されるのみなので、知らない方も多いです。信託報酬に比べて隠れコストのほうが十分小さくて無視できる場合もありますが、運用開始から間もない投信や純資産総額が小さい投信などでは意外と大きい場合もありますので、注意が必要です。

長期投資ではできるだけコストが安い銘柄を選ぶことが大事です。投信を選ぶ際は信託報酬だけでなく、実質コスト(=信託報酬+隠れコスト)にも着目することをおすすめします。

本記事ではファンドオブザイヤーで上位に選ばれた銘柄を実質コストで比較した結果について紹介します。

過去のファンドオブザイヤーの結果についてはこちら。
ファンドオブザイヤー2018銘柄の実質コストを比較

「投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー2019」の上位銘柄のほとんどはインデックスファンド

2019年の投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤーの上位10銘柄は以下です。

FOY順位ファンド名種類信託報酬(税込)
1位eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)インデックス型0.114%
2位eMAXISSlim米国株式インデックスファンド(S&P500)インデックス型0.097%
3位eMAXISSlim先進国株式インデックスファンドインデックス型0.106%
4位ニッセイ外国株式インデックスファンドインデックス型0.110%
5位eMAXISSlimバランス(8資産均等型)インデックス型0.154%
6位楽天・全米株式インデックスファンド
※愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)
インデックス型0.162%
7位セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドインデックス型0.600%
7位グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)インデックス、先物取引に係る権利などによるレバレッジ型0.484%
9位Vanguard Total World Stock ETF(VT)インデックス型(米国ETF)0.090%
10位SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドインデックス型0.094%

「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019」

比較的コストが高くなりがちな海外株式ファンドやバランス型ファンドが多いのにも関わらず、10ファンド中9ファンドの信託報酬が0.1~0.2%台です(歴史が長く、固定ファンが多い「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」はやや高めです)。

投信ブロガーに人気なのは低コストなインデックスファンドであることがよくわかります。

上位10銘柄のインデックスファンドなどを実質コストで比較

「投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー2019」の上位10銘柄の実質コストを各ファンドの運用報告書から以下のように計算しました。

実質コスト = 信託報酬 + 隠れコスト(売買委託手数料、有価証券取引税、その他費用)

隠れコストは最新の運用報告書の実績値をもとに、年率に換算して求めました。一方、信託報酬は運用報告書の時点より引き下げられている投資信託もあるため、2019年7月時点の値を掲載しています。

また、運用期間が短くてまだ運用報告書が作成されていないファンドについては「データなし」としています。

投資信託の実質コストの計算方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
投資信託の実質コストを徹底比較。真の低コストファンドをランキング形式で紹介

実質コストが安い銘柄から順に並べると、下表のようになりました。

実質コストの順位FOY順位ファンド名種類信託報酬(税込)実質コスト(税込)
1位9位Vanguard Total World Stock ETF(VT)インデックス型(米国ETF)0.090%0.090%
2位2位eMAXISSlim米国株式インデックスファンド(S&P500)インデックス型0.097%0.140%
3位4位ニッセイ外国株式インデックスファンドインデックス型0.102%0.162%
4位3位eMAXISSlim先進国株式インデックスファンドインデックス型0.102%0.174%
5位1位eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)インデックス型0.114%0.204%
6位5位eMAXISSlimバランス(8資産均等型)インデックス型0.154%0.218%
7位6位楽天・全米株式インデックスファンド
※愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)
インデックス型0.162%0.225%
8位7位グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)インデックス、先物取引に係る権利などによるレバレッジ型0.484%0.506%
9位7位セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドインデックス型0.600%0.601%
-10位SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドインデックス型0.094%データなし

(FOY順位とは「投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー2019」の順位のこと)

実質コストの安さ1位はVanguard Total World Stock ETF(VT)

実質コストの安さ1位は米国上場ETF(上場投資信託)のVanguard Total World Stock ETF(VT)であり、実質コストは0.1%です。VTが低コストな理由は、純資産総額が191億米ドル(約21兆円)もある超巨大ファンドであり、効率的に運用できるからです。

ただし、VTは米国ETFであるため、0.495%(税込)の買付手数料がかかります(SBI証券・マネックス証券・楽天証券の場合)。そのため、保有期間が短い場合は逆に高コストになってしまうので注意が必要です。

一方、他の9つの投資信託は買付手数料が無料であるうえ、SBI証券・マネックス証券・楽天証券であれば100円から積立投資可能なため、少額からの投資に適しています。最初は日本の投資信託で始めるとよいです。

実質コストの安さ2位はeMAXIS Slimの米国株式、3位はニッセイ先進国株式ファンド

VTに次いで実質コストが安いのはeMXIS Slimの米国株式、ニッセイ先進国株式インデックスファンドです。これら2ファンドは信託報酬が安いだけでなく、隠れコストも安いことが特徴です。

わずか0.1%台の実質コストで米国株式、先進国株式に分散投資できますから、かなり良心的なファンドです。

eMAXIS Slim、ニッセイシリーズはほかにも多くの種類のインデックスファンドがあり、業界最低水準の運用コストを競っています。中でも、eMAXIS Slimシリーズは低コストで評判が高く、本ランキングの上位6銘柄のうち4つを占めています。

低コストなインデックスファンドで運用したい場合、実質コストが安いeMAXIS Slim、またはニッセイシリーズがおすすめです。

2019年に運用開始されたSBI・バンガード・S&P500も期待大

今回のランキングでは2019年9月に運用開始されたばかりのSBI・バンガード・S&P500インデックスファンドもランクインしています。まだ1期目の途中で、運用報告書が出ていないので実質コストはわかりません。

しかし、米国ETFのVOOを買い付けるだけというシンプルな設計なので、実質コストはあまり高くないだろうと期待されます。

米国株で投資したいなら、SBI・バンガード・S&P500インデックスファンドもおすすめです。

グローバル3倍3分法ファンドはリターンの高さだけでなく、リスクの大きさにも注意する必要がある

今回、人気急上昇したのは、8位の「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」です。

このファンドは世界各国の株式・債券・不動産投信(REIT)などに投資するファンドですが、他の9銘柄と大きく異なるのは、レバレッジ3倍がかかっていることです(つまり、借金をして投資金額を3倍に膨らませているような状態)。

レバレッジがかかっている商品は、2019年のように相場が堅調なときは高いリターンを期待できます。しかし、下落相場では値下がり幅が大きいというデメリットがあります(2020年3月のコロナショックでは、高値から最大37%下落しました)。

価格変動リスクが大きいという点を理解して、上昇相場におけるスパイスとして使うなら良いです。しかし、2019年のような高いリターンだけをみて投資すると、思わぬ大損害を被ることもあるため、注意が必要です。

長期投資するなら、他のインデックスファンドを活用することをおすすめします。

楽天証券のポイントプログラムを使えば実質的なコストがさらに安くなる

さらに、投信の実質的なコストを安くする方法があります。

それは、楽天証券を使うことです。

楽天証券 で投信を購入・保有すると楽天ポイントを貯められます。たとえば、楽天証券で投信を保有していると、投資信託の保有額10万円につき4ポイント/月(年率0.048%)もらえます。

さらに、楽天証券 ではポイントで投資することも可能(1ポイント=1円換算)です。投信でもらったポイントで投資すれば、実質的に投信のコストが年率0.048%安くなることと同じですからお得です。

SBI証券やマネックス証券でもポイントプログラムはありますが、低コストなインデックスファンドはポイント付与の対象外になっていて、使いづらい面があります。投資信託を買うなら楽天証券がおすすめです。

まとめ

本記事ではファンドオブザイヤーで上位に選ばれた銘柄を実質コストで比較した結果について紹介しました。

投信で長期投資する場合はできるだけコストが安いインデックスファンドがおすすめです。特に信託報酬だけでなく、隠れコスト(売買委託手数料、有価証券取引税、その他費用)も含めた実質コストで比較するとよいです。

「投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー」をみれば信託報酬だけでなく、実質コストが安い銘柄が多くありますので、投信選びの参考になります。中でも日本の投資信託であれば少額(100円)から投資可能ですので、初心者でも投資しやすいです。

投資信託で長期投資したいと思う方は「投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー」を参考にして、まずは少額から投資を始めてみることをおすすめします。

路井なびお

自称「優良銘柄選びのソムリエ」。長期投資ブログ「ロイナビ(Long term investment Navi)」の管理人。

長期・積立・分散投資を基本として、インデックス投資と個別株(日米株)投資を実践しています。

優良なバリュー株や低コストなインデックス投信について調査・分析するほか、私が用いている分析方法や便利なツールなどについても紹介しています。

ツイッターもやっていますので、よければフォローお願いします。

Follow @loi_navio

「ロイナビ」をフォローする
この記事をシェアする
「ロイナビ」をフォローする
スポンサーリンク
【免責事項】

当サイトでは可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、誤情報が入り込んだり、情報が古くなっていることがあります。

ご自身で取引等の行動を起こされる場合は、変更されているかもしれない情報を再度確認調査の上、ご自身の判断での決断をお願い致します。

当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任は負いかねますのでご了承ください。

その他の事項につきましては、プライバシーポリシーと免責事項等をご覧ください。

ロイナビ(長期投資ナビ)
タイトルとURLをコピーしました