- 「業績予測を上方修正しそうな銘柄を見つけるにはどうすればよいのだろう?」
- 「有望銘柄を発掘するにはどうすればいい?」
では、業績の向上を予想するにはどうすればよいでしょうか?
私はそのためのツールのひとつとして、会社四季報を活用しています。
本記事では「株式投資で有望な銘柄を探すには、会社四季報のどこに着目すべきか」について、私の見方を紹介します。
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会社四季報を使って、業績が向上しそうな有望銘柄を探す方法
例えば、以下はある工具メーカーについて書かれた、四季報の内容です。
(一部以外、画像を加工しています。)
たくさんの情報がありますが、注目したいのは、1と2です。この2か所から業績が向上しそうなことを読み取ることができます。
業績欄の見出しが【独自増額】であれば期待度大!
1の欄は業績欄であり、現状と今後について、担当記者がまとめたものです。上記の例では、見出しに【独自増額】とあります。これはどういう意味でしょうか?
見出しの言葉は以下のイメージで書かれています。
つまり、【独自増額】の意味は、「担当記者の予想によると、営業利益が会社側計画よりも上振れしそうだ」ということです。
そして、その理由が本文内で書かれています。例えば、上記の工具メーカーの場合、「新製品が国内だけでなく、米国・東南アジアで想定超の売れ行き」となっています。
この内容に実現性が高そうだと感じられれば、期待度は高いです。
独自予想と会社予想の乖離が大きいほど有望!
次に、利益予想についてみます。2の上段は四季報担当記者の予想、下段は会社側の予想です。
上記の例では営業利益が約17%、純利益は約24%もアップしそうだと予想していることになります。増益幅としては大きいほうだと思いますし、かなり期待度は大きいですね。
上方修正の予感が得られたら、割安なうちに購入する!
以上の2つから、今後、上記の銘柄は上方修正される可能性が高いだろうと予想されます。
この工具メーカーは一般の人はほぼ知らないであろうメーカーです。一般の投資家で上方修正の可能性に気づく人は、四季報を読んでいる人くらいです。また、プロの機関投資家でもすべての銘柄をウォッチするのは難しいので、気づいていない可能性はあります。
したがって、会社が正式に上方修正を発表する前に買っておけば、安く仕込むことができます。
分厚い四季報の全部を読まなくても、上記の2点に注目すれば効率的に銘柄探しができます。
【独自増額】銘柄における、その後の株価の例
実際、この工具メーカーの株価はその後、どうなったでしょうか?株価チャートは以下のようになっています。
この銘柄は、リーマンショック後の長い間、成長性の乏しさからバリュートラップに陥っていた銘柄でした。
しかし、2017年9月の四季報で【独自増額】となったのを見て、私は約2400円で買いました。
その後、実際に2度の上方修正が行われて株価は上昇しました。その結果、2018年5月には3300~3400円となっており、約8か月の保有で約40%の上昇をつかむことができました。
四季報を使って、狙い目の銘柄を見つけ出す方法がお分かりいただけたでしょうか?
実際には、業績の良さだけでなく、株価が割安かという点も重要ですので、投資する前に十分検討するとよいです。
まとめ
- 業績の変化は株価に大きな影響を与えており、その可能性は会社四季報の独自予想から読み取れる。
- 会社四季報は、業績欄の見出しと、会社予想と四季報予想の乖離に注目するとよい。